夜の博物館という特別な空間で音楽を聴く。ふだん聴き慣れたコンサートホールではなく、ちょっとミステリアスで、異次元の世界が味わえる場所で演奏とトークに耳を傾ける。こんな体験ができるのも、東京・春・音楽祭ならではのユニークな趣向である。
今回は地下から3階までほぼ全フロアにアーティストが分かれ、各20分くらいの演奏を2〜3回時間差で繰り返していくスタイルを取る。
プログラムはJ.S.バッハ、モーツァルト、ボノーからハルヴォルセンまでさまざまな音楽が多彩なアーティスト、楽器で奏でられ、リアルな音楽体験が味わえる。
トークは同博物館の名誉研究員の小野展嗣氏が担当。テーマは「音を感知して生きる蜘蛛」。タランテラ(舞曲)とタランチュラ(毒蜘蛛)は同じ町に由来するという、春の宵の背中がゾクッとするような話が展開される。
まさに博物館の展示空間で見聞きする、摩訶不思議な世界。知的好奇心が促され、音楽の聴き方にも変化が訪れ、ふだん気付かなかった自分の隠れた好奇心に驚くかもしれない。
文:伊熊よし子
【公演情報】
国立科学博物館×東京・春・音楽祭
〈ナイトミュージアム〉コンサート〜展示空間で楽しむ多彩な音楽とトーク
2019/4/2(火)19:00 国立科学博物館 地球館 常設展示室
●出演
サクソフォン:田村真寛
ハープ:有馬律子
ヴァイオリン:對馬哲男
ヴィオラ:大角 彩
尺八:イオ・パヴェル
ポジティフ・オルガン:大木麻理
●曲目
〜ミニコンサート〜
3階 サクソフォン:田村真寛
P.ボノー:ワルツ形式によるカプリス
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007 より /他
地下1階 有馬律子
ヘンデル:ハープ協奏曲 変ロ長調 より 第1楽章 Allegro moderato
ドビュッシー:アラベスク 第1番 ホ長調
地下2階 ヴァイオリン:對馬哲男、ヴィオラ:大角 彩
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 より 第1楽章
ハルヴォルセン:パッサカリア /他
地下3階 尺八:イオ・パヴェル、ポジティフ・オルガン:大木麻理
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
巣鶴鈴慕 /他
〜スペシャルトーク〜
1階 小野 展嗣(国立科学博物館 名誉研究員)
トークテーマ:音を感知して生きる蜘蛛
ドラミングで求愛するクモがいます。タランテラ(舞曲)とタランチュラ(毒蜘蛛)は 同じ町に由来します。春の夜の怖い?お話です。
●チケット料金(税込)
入場料(1ドリンク付)¥2,100