4月23日から東京都美術館で開催される『クリムト展 ウィーンと日本1900』に先駆けて行われる、プレ・コンサート。ウィーン世紀末美術を代表するクリムトといえば、ベートーヴェンの交響曲第9番をモチーフとした「ベートーヴェン・フリーズ」がよく知られる。また、ギリシャ人の富豪の依頼で描いた「ピアノを弾くシューベルト」では、第2次世界大戦中に焼失してしまったものの、残された写真からクリムトが描きあげたシューベルティアーデの様子を見ることができる。
そんな、クリムトが描いた作曲家を中心に取り上げるのが、このプレ・コンサート。ピアノの岡田将とソプラノの馬原裕子が、シューベルトの詩情にあふれ、絵画的情景の浮かぶ数々の名歌曲を披露する。ピアノソロで演奏される作品も、ベートーヴェンの最後のピアノソナタに加えて、ワーグナー=リストの「イゾルデの愛の死」と、聴き応えのある作品揃い。官能的かつ死を匂わせる作品を多く描いたクリムトの世界に寄り添う音楽が、名奏者二人によって披露される。
文:高坂はる香
【公演情報】
ミュージアム・コンサート
「クリムト展」プレ・コンサート vol.1 岡田将(ピアノ)&馬原裕子(ソプラノ)
2019.4/11(木)14:00 東京都美術館 講堂
●出演
ピアノ:岡田 将
ソプラノ:馬原裕子
●曲目
【クリムトが描いた作曲家たち】
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 op.111
シューベルト:春に D882
シューベルト:死と乙女 D531
シューベルト:夜の歌 D672
リスト – ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》より「イゾルデの愛の死」 S447
シューベルト:憩いなき恋 D138
シューベルト:セレナーデ D957-4
●チケット料金(税込)
全席自由¥2,100