【公演レポート】子どものためのワーグナー 《さまよえるオランダ人》

 今年で15周年を迎えた「東京・春・音楽祭2019」では、バイロイト音楽祭と提携し、子どものためのワーグナー 《さまよえるオランダ人》を上演している。公演は3月24日(日)まで。

 「子どものためのワーグナー」は、バイロイト音楽祭総監督カタリーナ・ワーグナーにより2009年に始められたもの。子どものためのオペラ上演がドイツ国外で開催されるのは今回が初となる。同氏監修のもと、バイロイト音楽祭デビューを飾った金子美香ほか、日本を代表する若手のワーグナー歌いがそろった。

 原語上演ながら途中に日本語のナレーションを挟み、1時間というコンパクトさで、子どもたちにもわかりやすいよう工夫を凝らす。通常上演される演出と異なり、ゼンタはまだ見ぬオランダ人に絵本やテレビを通じて恋い焦がれ、第2幕の有名な「糸紡ぎの歌」ではマリーが自転車を転がし、果てはゼンタの父ダーラントの船はじつは漁船だった!など、カタリーナの“読み替え”演出も楽しい。
 舞台と客席は数メートルしか離れておらず、子どもたちは間近で観るオペラに圧倒され見入っていた。
(2019.3/23 11時公演 三井住友銀行 東館 ライジング・スクエア 1階 アース・ガーデン Photo:寺司正彦)




















【公演情報】
東京春祭 for Kids
子どものためのワーグナー 《さまよえるオランダ人》
(バイロイト音楽祭提携公演)

2019.3/21(木・祝)14:00、3/23(土)11:00/14:00、3/24(日)11:0/14:00 
三井住友銀行 東館 ライジング・スクエア 1階 アース・ガーデン

●出演
指揮:ダニエル・ガイス

オランダ人:友清 崇
ダーラント:斉木健詞
ゼンタ:田崎尚美
エリック:高橋 淳
マリー:金子美香
舵手:菅野 敦

管弦楽:東京春祭特別オーケストラ
音楽コーチ:ユリア・オクルアシビリ

監修:カタリーナ・ワーグナー
   ダニエル・ウェーバー
   ドロシア・ベッカー
編曲:マルコ・ズドラレク
演出:カタリーナ・ワーグナー
美術:Spring Festival in Tokyo
照明:ピーター・ユネス
衣装:Spring Festival in Tokyo
   (オリジナル版<2016 / バイロイト>:イナ・クロンプハルト)
プロジェクト・マネジメント:マルクス・ラッチュ
芸術監督:カタリーナ・ワーグナー

●曲目
ワーグナー:歌劇《さまよえるオランダ人》 (抜粋)

●チケット料金(税込)
全席自由
子ども(対象:小学生)¥2,100 大人(保護者)¥3,100
※未就学のお子様を同伴してのご入場はご遠慮ください。
※大人のみでご来場希望の方には、東京・春・音楽祭チケットサービスにて3月1日(金)10:00より受付いたします。(1名:¥5,200)