東京・春・音楽祭では毎年、優れた鍵盤楽器奏者によるJ.S.バッハにフォーカスした企画が用意されているが、今年は名手リチャード・エガーが、チェンバロによるオール・バッハ・プログラムを披露する。エガーは、ヨーク大聖堂の少年聖歌隊でその音楽の礎を築き、英国の音楽学校で学び、グスタフ・レオンハルトの薫陶を受けた、イギリス出身のチェンバロ奏者。イギリスとオランダ、両方の古楽界のエッセンスを吸収した演奏家といえる。現代の古楽器界を牽引する存在であり、近年は指揮者としても活躍の場を広げている。
今回エガーは、J.S.バッハのパルティータとフランス組曲を並べたプログラムで、古楽器だからこそ再現できる繊細な音の世界を届ける。最近、日本でもまたにわかに古楽器の人気が上昇しているようだが、それはやはり、そこに現代ピアノとはまた一味違った、チェンバロならではの無濾過の複雑で芳醇な味わいの音を聴く喜びがあるからだろう。
名手が導くJ.S.バッハ探求の旅。チェンバロで聴くことにより、作品についての新たな発見もありそうだ。
文:高坂はる香
【公演情報】
リチャード・エガー (チェンバロ)
〜plays BACH
2019.3/23(土)18:00 東京文化会館 小ホール
●出演
チェンバロ:リチャード・エガー
●曲目
J.S. バッハ:
パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
I. Prelude
II. Allemande
III. Courante
IV. Sarabande
V. Menuett I
VI. Menuett II
VII. Gigue
パルティータ 第4番 ニ長調 BWV828
I. Ouverture
II. Allemande
III. Courante
IV. Aria
V. Sarabande
VI. Menuett
VII. Gigue
フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816
I. Allemande
II. Courante
III. Sarabande
IV. Gavotte
V. Bourrée
VI. Loure
VII. Gigue
パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830
I. Toccata
II. Allemande
III. Corrente
IV. Air
V. Sarabande
VI. Tempo di Gavotta
VII. Gigue
●チケット料金(税込)
S¥5,700 A¥4,100 U-25¥1,500