子どものためのワーグナー 《さまよえるオランダ人》

 「東京・春・音楽祭」実行委員長の鈴木幸一が情熱を傾けるワーグナー。演奏会形式によるワーグナー・オペラは同音楽祭の大看板だが、今年からそこに別の看板が加わる。バイロイト音楽祭からやってくる「子どものためのワーグナー」だ。ワーグナーのオペラを、小学生くらいの子どもが親しみやすいように編曲し、本番と同じ演出とトップクラスの歌手で上演する、贅沢な催しである。現地では音楽祭総裁のカタリーナ・ワーグナーの監修により2009年から導入され、好評を得ている。ドイツ以外での上演は、今回の東京・春・音楽祭が初めてだ。

《さまよえるオランダ人》より
©BF Medien GmbH/Jörg Schulze

 今回の演目は、「ワーグナー・シリーズ」でも上演される《さまよえるオランダ人》。09年にバイロイトでこの企画がスタートした時の演目でもある。指揮を執るのは、ドイツ内外で指揮者として活躍し、またチェロ奏者としてバイロイト祝祭管弦楽団にも加わるダニエル・ガイス。歌手も、昨夏バイロイトにデビューして話題を呼んだ金子美香をはじめ、友清崇、斉木健詞ら日本の第一線が集う。バイロイトで行われているのと同じ本格的な演出がつくのも目玉で、今回はカタリーナが手がける。

 難解と思われがちなワーグナーの、至れり尽くせりの第一歩。はじめからいいものに触れて欲しい、そんな姿勢が伝わってくる、東京春祭ならではのスペシャルな企画である。
文:加藤浩子

《さまよえるオランダ人》より
©BF Medien GmbH/Jörg Schulze


【公演情報】
東京春祭 for Kids
子どものためのワーグナー 《さまよえるオランダ人》
(バイロイト音楽祭提携公演)

2019.3/21(木・祝)14:00、3/23(土)11:00/14:00、3/24(日)11:0/14:00 
三井住友銀行 東館 ライジング・スクエア 1階 アース・ガーデン

●出演
指揮:ダニエル・ガイス

オランダ人:友清 崇
ダーラント:斉木健詞
ゼンタ:田崎尚美
エリック:高橋 淳
マリー:金子美香
舵手:菅野 敦

管弦楽:東京春祭特別オーケストラ
音楽コーチ:ユリア・オクルアシビリ

監修:カタリーナ・ワーグナー
   ダニエル・ウェーバー
   ドロシア・ベッカー
編曲:マルコ・ズドラレク
演出:カタリーナ・ワーグナー
美術:Spring Festival in Tokyo
照明:ピーター・ユネス
衣装:Spring Festival in Tokyo
   (オリジナル版<2016 / バイロイト>:イナ・クロンプハルト)
プロジェクト・マネジメント:マルクス・ラッチュ
芸術監督:カタリーナ・ワーグナー

●曲目
ワーグナー:歌劇《さまよえるオランダ人》 (抜粋)

●チケット料金(税込)
全席自由
子ども(対象:小学生)¥2,100 大人(保護者)¥3,100
※未就学のお子様を同伴してのご入場はご遠慮ください。
※大人のみでご来場希望の方には、東京・春・音楽祭チケットサービスにて3月1日(金)10:00より受付いたします。(1名:¥5,200)