通常の木管五重奏は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンで構成される。だがカレファックス・リード・クインテットは、フルートとホルンに代わってサクソフォンとバス・クラリネットを用いた「リード楽器」(リード=木の薄片を振動させて音を出す楽器)のみのグループ。つまり、同質の音色を保ちながら、サクソフォンが新たなテイスト(ホルンのような音色も奏で、柔らかな融合も果たす)を生み出し、バス・クラが低音で支えるという、ユニークにして理にかなったアンサンブルなのだ。
1985年に創設され、オランダを拠点に各地で演奏。様々な音楽祭への参加や20枚近いCD録音を行い、2008年以来、数回の来日公演でも絶賛を博している。ともかくテクニックは抜群でアンサンブルは鮮やか。ときに暗譜で動きながら演奏するなどステージも愉しく、メンバーによる自在のアレンジが魅力でもある。
今回のテーマ《変奏曲》は、同じ旋律が様々な変化を遂げるので、各楽器と奏者の個性を楽しむのに最適な形態。バッハ究極の名作「シャコンヌ」はむろん興味津々だし、最新CDで見事な演奏を展開しているヤナーチェク、フランク、コレッリの作品ー中でも有名な「ラ・フォリア」ーはアレンジを含めて必聴だ。そのあとの「子供の領分」「パリのアメリカ人」は、曲調的に楽しいこと間違いなし。
鮮烈なテクニック、清新なサウンド、そしてエンタテインメント性に溢れたステージを満喫しよう!
文:柴田克彦
【公演情報】
カレファックス・リード・クインテット
〜5つのリード楽器による《変奏曲》
●出演
リード楽器五重奏:カレファックス・リード・クインテット
オーボエ:オリヴァー・ブックホールン
クラリネット:イーヴァル・ベリックス
サクソフォン:ラーフ・ヘッケマ
バス・クラリネット:イェルテ・アルタウス
ファゴット:アルバン・ウェスリー
●曲目
ヤナーチェク(ウェスリー編):主題と変奏《ズデンカ変奏曲》
フランク(アルタウス編):前奏曲、フーガと変奏曲 op.18
コレッリ(ヘッケマ編):ラ・フォリア変奏曲
J.S.バッハ – ブゾーニ(アルタウス編):シャコンヌ
ドビュッシー(ヘッケマ編):子供の領分
ガーシュウィン(ヘッケマ編):パリのアメリカ人
●チケット料金(税込)
S¥5,700 A¥4,100
U-25¥1,500
※ U-25チケットは、2019年2月8日(金)12:00発売開始(公式サイトのみでの取扱い)