ミュージアム・コンサート 佐野隆哉(ピアノ)

 スイスで生まれ、主としてフランスで活躍した建築家ル・コルビュジエ(1887〜1965)は、画家から出発して建築家となったが、ずっと絵画の制作を続けていたという。コルビュジエは、1959年に国立西洋美術館本館の基本設計を行ったことで知られる。
 2月19日から5月19日まで国立西洋美術館では『ル・コルビュジエ 絵画から建築へ—ピュリスムの時代』展が開催されるが、それを記念し、3月25日に企画展示ロビーを会場に「1920年代のパリ」と名付けられたコンサートが行われる。

 コルビュジエの活躍した第一次世界大戦後のパリを舞台に、盛んな活動を行っていたサティ、プーランク、オネゲルをはじめとするフランスの作曲家たちの作品が次々と登場するという粋なプログラムだ。
 これらの作曲家の作品は、曲が生まれた時代をリアルに投影し、社会性や文化、歴史などを率直に反映している。ウイットとユーモア、エスプリが感じられ、かの地へと運ばれる。

 演奏はパリのスコラ・カントルム、パリ国立高等音楽院で学び、長年フランスで活躍し、フランス作品を得意とするピアニストの佐野隆哉である。当日は、「ル・コルビュジエ展」を観ることもできる。目と耳で味わうことができるル・コルビュジエの時代。さまざまな創造力が働き、想像性が増し、きっと体感後は心が豊かになっているに違いない。
文:伊熊よし子


【公演情報】
ミュージアム・コンサート
「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ」展 記念コンサート vol.1
佐野隆哉(ピアノ)

2019.3/25 (月)11:00/14:00[各回約60分]
国立西洋美術館 企画展示ロビー

●出演
ピアノ:佐野隆哉
お話:村上博哉(国立西洋美術館 副館長)

●曲目
【1920年代のパリ】
サティ:ジュ トゥ ヴ
《6人組のアルバム》より
 1.オーリック:前奏曲
 2.デュレ:無言歌
 4.ミヨー:マズルカ
 6.タイユフェール:パストラール
オネゲル:ショパンの思い出
プーランク:《ナゼールの夜会》

●チケット料金(税込)
全席自由¥3,100
※コンサート当日、「ル・コルビュジエ」展をご覧いただけます。