一昨年に“ハルサイ・リング”こと《東京・春・音楽祭》のワーグナーシリーズ第5弾《ラインの黄金》で、圧倒的な名唱を聴かせたバス・バリトンのトマス・コニエチュニー。
ウィーン国立歌劇場をはじめ、世界の檜舞台で活躍を続ける名手が《東京・春・音楽祭》に再び降臨し、《ジークフリート》ではアルベリヒ役で熱唱を繰り広げているが、ファンからの熱いラヴ・コールに応えて、「歌曲シリーズ 」では、ラフマニノフと独墺作品を対置したプログラムを聴かせる。パートナーには、定期的に共演を重ね、気心の知れたポーランド出身のピアニスト、レフ・ナピュラワ。
まずはラフマニノフで、「私は彼女の家に行った」など、滋味を湛えた上質な菓子を思わせる10曲が並ぶ《ロマンス集》に、歌劇《アレコ》からの「カヴァティーナ」を添えて。そして、「ひそやかな思い」「明日には!」「万零節」など、宝石箱のようなリヒャルト・.シュトラウスのリート13曲に、ワーグナーの楽劇《さまよえるオランダ人》からの「オランダ人のモノローグ」を共鳴させる。
■東京春祭 歌曲シリーズ vol.19
トマス・コニエチュニー(バス・バリトン)
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_3029.html
2016.4.13 [水] 19:00 東京文化会館 (小)
■出演
バス・バリトン:トマス・コニエチュニー
ピアノ:レフ・ナピェラワ
■曲目
ラフマニノフ:
《ロマンス集》
私は彼女の家に行った op.14-4
夜の静けさに op.4-3
いや、お願いだ、行かないで op.4-1
わが子よ、おまえは花のように美しい op.8-2
昨日私たちは会った op.26-13
私はすべてを奪われた op.26-2
思い op.8-3
昔から恋には慰めは少なく op.14-3
あなたは皆に愛される op.14-6
彼女は真昼のように美しい op.14-9
カヴァティーナ(歌劇《アレコ》より)
R.シュトラウス:
ひそやかな誘い op.27-3
夜の逍遥 op.29-3
明日には! op.27-4
私の思いのすべて op.21-1
ああ悲しい、不幸なる者よ op.21-4
ツェチーリエ op.27-2
あこがれ op.32-2
ああ恋人よ、私は別れねばならない op.21-3
万霊節 op.10-8
憩え、わが心 op.27-1
献呈 op.10-1
私はおまえを愛する op.37-2
マヤの物語(歌劇《ダナエの愛》より)
ワーグナー:オランダ人のモノローグ(歌劇《さまよえるオランダ人》より)