生誕150年の大回顧展〜東京国立博物館『生誕150年 黒田清輝』

 日本美術の近代化に尽力し、“日本近代洋画の父”とも称される黒田清輝(1866〜1924)。初期から晩年までの代表作を一堂に介した大回顧展『生誕150年 黒田清輝ー日本近代絵画の巨匠』が5月15日(日)まで、上野の東京国立博物館で開催されている。

黒田清輝 重要文化財《湖畔》   1897年(明治30) 東京国立博物館蔵

黒田清輝 重要文化財《湖畔》 
1897年(明治30) 東京国立博物館蔵

 黒田は旧薩摩藩、鹿児島県に武士の子として生まれ、18歳になる年に法律を勉強するためにフランスに留学。しかし現地で絵の世界へと飛び込み、師ラファエル・コランや同時代のフランス絵画に刺激を受け、《読書》(1891年)でサロン入選を果たす。
 帰国後は印象派風の明るい光の表現を取り入れ、日本の洋画界に新風を吹き込んだ。また東京美術学校(後の東京芸術大学)で西洋画の教員として働くほか、美術団体「白馬会」を久米桂一郎らと結成。日本美術のアカデミズムの形成に大きく貢献し、芸術家・教育者の両面から、日本美術に生涯を捧げた。
 本展は彼の足跡を3つの時代に分け、彼の代表作《読書》(1891年)《婦人像(厨房)》(1892年)《湖畔》(1897年)《智・感・情》(1899年)《舞妓》(1893年)《野辺》(1907年)を含む約200件、さらに師コラン《フロレアル(花月)》やミレー《羊飼いの少女》などの作品、また浅井忠、青木繁ら、黒田と同時代の洋画など、計240件を展示する。

公募展覧会サロン、ソシエテ・ デ・ザルティスト・フランセに初入選を果たした 黒田清輝《読書》 1891年(明治24)東京国立博物館蔵

公募展覧会サロン、ソシエテ・ デ・ザルティスト・フランセに初入選を果たした
黒田清輝《読書》
1891年(明治24)東京国立博物館蔵

黒田清輝《婦人像(厨房)》 1892年(明治25)  東京藝術大学蔵 

黒田清輝《婦人像(厨房)》
1892年(明治25) 東京藝術大学蔵 

ラファエル・コラン《フロレアル(花月)》  1886年  オルセー美術館蔵(アラス美術館寄託) C)RMN-Grand Palais (musée d'Orsay)/Hervé Lewandowski/distributed by AMF

ラファエル・コラン《フロレアル(花月)》 
1886年 オルセー美術館蔵(アラス美術館寄託)
C)RMN-Grand Palais (musée d’Orsay)/Hervé Lewandowski/distributed by AMF

 東京国立博物館の黒田記念館では通常、年3回各2週間だけ《読書》《湖畔》《智・感・情》《舞妓》が限定公開されているが、本展は会期中展示替えはなく、いつでも目にすることができる貴重な機会だ。(黒田記念館は6月13日まで休館)
 
 また本展会期中、本館では4月10日まで「博物館でお花見を」が行われており、桜の名品の数々展示するほか、桜スタンプラリーや桜ギャラリートークなどのイベントも開催。さらに、4月17日までは博物館自慢の庭園も開放されており、オオシマザクラ、ヤマザクラ等10種類以上の桜が楽しめ、博物館内外で桜を愛でることができる。

エドヒガンシダレと茶室春草廬

エドヒガンシダレと茶室春草廬

重要文化財《歌舞伎遊楽図屏風》 江戸時代・17世紀     文化庁蔵

重要文化財《歌舞伎遊楽図屏風》
江戸時代・17世紀 文化庁蔵

黒田清輝 重要文化財《智・感・情》  1899年(明治32) 東京国立博物館蔵

黒田清輝 重要文化財《智・感・情》 
1899年(明治32) 東京国立博物館蔵

黒田清輝 重要文化財《舞妓》 1893年(明治26) 東京国立博物館蔵

黒田清輝 重要文化財《舞妓》
1893年(明治26) 東京国立博物館蔵

黒田清輝《野辺》 1907年(明治40) ポーラ美術館(ポーラ・コレクション)蔵

黒田清輝《野辺》
1907年(明治40) ポーラ美術館蔵(ポーラ・コレクション)

WEBぶらあぼでは、本展の招待券を読者限定5組10名様にプレゼント


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ハガキ、またはメールにて、
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2016年4月5日(火)必着でご応募ください。
当選者の発表はプレゼントの発送をもって代えさせていただきます。

〒102-0073 千代田区九段北1-3-6 セーキビル4F
東京MDE「ぶらあぼ + Danza inside」編集部
『生誕150年 黒田清輝』プレゼント係
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特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」
3月23日(水) 〜 5月15日(日)東京国立博物館 平成館 特別展示室
開館時間:9:30〜17:00(金曜日は20:00まで、土・日・祝日、5月2日(月)は18:00まで。入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(3月28日(月)、4月4日(月)、5月2日(月)は開館)
入場料: 一般1600円/大学生1200円/高校生900円 *中学生以下無料

特設WEBサイト http://www.seiki150.jp

「博物館でお花見を」
3月15日(火)〜4月10日(日)東京国立博物館 本館
開館時間:9:30〜17:00(3月25日以降の金曜日は20:00まで、3月26日以降の土・日は18:00まで、最終入館は閉館の30分前)

東京国立博物館 http://www.tnm.jp