「Jimador」と書いて「ヒマドール」と読む。これはメキシコで最も古い蒸溜所の一つ、エドゥーラ社が生産するテキーラ「エル ヒマドール」の名前でもある。同国で最大の販売量を誇るテキーラで、オーク樽で2ヶ月熟成した「レポサド」は、原料のアガヴェ(竜舌蘭)の甘さを活かした滑らかな味わいが特長だ。
(取材・文:渡辺謙太郎 写真:中村風詩人)
赤い壁が印象的なカウンター8席&テーブル4席には、メキシコから取り寄せた椅子や置物が置かれ、BGMに流れているのもシックなメキシコ音楽。まるで現地の秘密の隠れ家のようだ。バックバーに並ぶボトルは、現在約210本(テキーラとラムの比率は約3対1)。ボトルの高さやデザインが実に多様で面白い。
テキーラのチェイサーは、オリジナルの「サングリータ(スパイシーなトマトジュース)」を提供。現地の伝統的なテキーラの飲み方で、舌の麻痺や酔いを巧みに抑えてくれる。
佐藤さんはこうした蒸留酒だけでなく、フードやカクテルにも全力投球。メニューには、「タコス・デ・トリッパ」「トルティーヤ・ドッグ」「サボテンのサラダ」など、本格的なメキシコ料理が多数並ぶ。
春めいて喉が渇くこれからの季節には、テキーラを使ったカクテルもぜひ。テキーラをグレープフルーツとソーダで割った「パローマ」や、サボテン型の大振りなグラスで供される「フローズン・マルガリータ」などは、実に喉越しのいい1杯だ。
そして佐藤さんは、前述の井上さんと同様に、「東京・春・音楽祭」のためにオリジナル・カクテルも考案してくれた。同量のテキーラとサングリータをシェイクしたこちらの1杯は、「暖かい春」を意味する「プリマヴェーラ・カリエンテ」。「“カリエンテ”には“熱い”という意味もあるので、“辛い”味わいにも掛けてみました」ということなので、その研ぎ澄まされた“熱さ”を五感で堪能して欲しい。
Bar Jimador(バー ヒマドール)
文京区湯島3-44-1 高橋ビル 2F
03-5818-0037
営業時間:19〜5時
休業日:日曜日
※「東京・春・音楽祭」期間中は、こちらの記事を読んだと佐藤さんに伝えると、テーブルチャージ500円を無料サービス