東京春祭マラソン・コンサートは、アニバーサリーの作曲家の作品を中心に東京文化会館小ホールで開催されてきた。凝ったプログラムで、お話を交えてテーマを掘り下げていくのが当マラソン・コンサートの特徴。今回のテーマ作曲家は、今年が没後100年にあたるエンゲルベルト・フンパーディンク（1854〜1921）。
東京春祭マラソン・コンサート vol.9（2019年公演）より
（C）高嶋ちぐさ
フンパーディンクといえば、オペラ《ヘンゼルとグレーテル》（1893年初演）が群を抜いて知られているが、その後も《王様の子供たち》（1910年初演）などのメルヒェン・オペラを作曲した。今回は、そんな彼の作品とともに、他の作曲家が残したメルヒェン的な音楽も演奏される。
フンパーディンクは、1882年のバイロイト音楽祭での《パルジファル》の世界初演に携わるなど、熱烈なワグネリアンであった。グリム童話を題材とした《ヘンゼルとグレーテル》でもライトモティーフの使用や管弦楽法にワーグナーの影響がみられる。また、ワーグナーの息子であるジークフリート・ワーグナーの音楽教師も務めた。
3本のコンサートでは、それぞれ、オペラ《ヘンゼルとグレーテル》と関連深い、ドイツの民衆音楽、魔法、夢にまつわる音楽を中心にプログラムが組まれている。ジークフリート・ワーグナーの曲など珍しい作品が紹介されるのも楽しみ。
文：山田治生
東京春祭マラソン・コンサート vol.9（2019年公演）より
（C）高嶋ちぐさ
【公演情報】
東京春祭マラソン・コンサート vol.11
メルヒェンの時代へ…
フンパーディンク没後100年に寄せて
2021.4/10（土）
第I部：13：00、第Ⅱ部：16：00、第Ⅲ部：19：00［各回約90分］
東京文化会館 小ホール
●企画構成／お話：小宮正安
（ヨーロッパ文化史研究家／横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授）
【第Ⅰ部】13：00
「郷／民」踊ろう！ 踊ろう！ 楽しいよ！ そして歌おう 心から
●出演
調整中
●曲目
フンパーディンク（フンパーディンク編）：歌劇《ヘンゼルとグレーテル》第1幕（冒頭）より「ヘンゼルとグレーテルの二重唱」
ウェーバー（編曲者不詳）：歌劇《魔弾の射手》より「勝利だ！」「行進曲」「ワルツ」「あなたに編むの、おとめの冠」「狩人の合唱」
F.ベンデル：《6つのドイツのおとぎの絵本》より「ブレーメンの音楽隊」
G.ランゲ：愛する人の窓辺で
ワーグナー（A.リッター編）：楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》前奏曲
J.ラインベルガー：ドイツ讃歌
F.ラハナー：《森の響き》より「森の小鳥」
フンパーディンク：七匹の子ヤギ
【第Ⅱ部】16：00
「魔／異」ホークス ポークス 魔女の杖！ 動きようにも動けまい
●出演
調整中
●曲目
フンパーディンク（クラインミヒェル編）：歌劇《ヘンゼルとグレーテル》より 「魔女の騎行」〜「魔女のアリア」
ミュラー（ザルトリウス編）：歌芝居《ファゴット吹きのカスパール（あるいは魔法のツィター）》序曲
モーツァルト（G.K.ザルトリウス編）：歌芝居《魔笛》より「なんと強い魔法の音」「なんて素敵な響き」「鳴るんだ、鈴よ」
メンデルスゾーン（W.シュパイデル編）：劇付随音楽《真夏の夜の夢》より「スケルツォ」
オッフェンバック（ギヨー補筆・バジール編）：歌劇《ホフマン物語》より 「舟歌」
ライネッケ：くるみ割り人形とねずみの王様
【第Ⅲ部】19：00
「憧／夢」ふたりは私を連れてゆく あの天国の楽園へ！
●出演
調整中
●曲目
シューベルト（J.v.ブルーメンタール編）：《ロザムンデ／魔法の竪琴》序曲
J.シュトラウス2世（J.ルンメル編）：ワルツ《千夜一夜》
シューマン：《メルヒェンの情景》より 第3曲、第4曲
ブゾーニ：メルヒェン
S.ワーグナー（編曲者不詳）：フルートと賞管弦楽のための協奏曲
ヒラー：小姓と王女のバラード
フンパーディンク（R.クラインミヒェル編）：歌劇《ヘンゼルとグレーテル》より 「夕べの祈り」〜「夢のパントマイム」
●料金（税込）
3公演通し券￥8,500 各回券￥4,000 U-25￥1,500
ライブ・ストリーミング配信（各回）￥1,500
●チケット発売
3公演通し券・各回券：3/25（木）10：00
U-25：3/25（木）12：00
ライブ・ストリーミング配信各回券：3/25（木）12：00
【来場チケット販売窓口】
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●東京文化会館チケットサービス（電話・窓口）
TEL：03-5685-0650（オペレーター）
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