コンヴィチュニーの《サロメ》

 2018年7月、東京二期会がハンブルク州立歌劇場との共同制作で、ペーター・コンヴィチュニーの演出によるウェーバー《魔弾の射手》を上演する。
 こちらでは、2011年に東京二期会がオランダ/ネザーランド・オペラ及びスウェーデン/エーテボリ・オペラとの共同制作で上演したペーター・コンヴィチュニーの演出による《サロメ》を写真で振り返る。
(2011.2.20 東京文化会館 写真:寺司正彦)


ナラボート:今夜のサロメ女王様はなんて美しいんだ。
小姓:あまり見てはいけません。


ヨカナーン:見よ!主が来られた。人の子だ。


サロメ:あれは誰なの? あの予言者と話がしたいわ。


サロメ:ナラボート、お前ならやってくれるわね。


サロメ:ああ!ヨカナーン。(ヨカナーンを見て気絶する)


サロメ:もっと話して、ヨカナーン。
ナラボート:それはなりません。


ヘロデが誤ってナラボートを撃ち殺す。


ヨカナーンがナラボートを抱きかかえ、口づけする。


ヘロデ:サロメ、踊ってくれ。望みのものは何でも与えよう。神に誓って約束する。


【サロメの7つのヴェールの踊り】


ヘロデ:サロメ、望みのものを言いなさい。
サロメ:ヨカナーンの首がほしい。
ヘロディアス:よくぞ言った!娘よ。
ヘロデ:それは、ならん。


サロメ:私はどうしてもヨカナーンの首が欲しいの。


サロメ:ああ、おまえは私にくちづけさせてくれなかった、ヨハナーン!


サロメ:どうして私を見なかったの?ヨカナーン。おまえは目隠しで目を覆っていたのよ、自分にとっての神を見たいと思う者の目隠しで。


サロメ:どうしておまえは私を見つめてくれなかったの? もし私を見つめてくれていたら、おまえは私を好きになったでしょう。恋に隠された秘密は、死に隠された秘密よりももっと大きいのよ。


サロメ:ああ!おまえにくちづけしたわ、ヨカナーン!

東京二期会オペラ劇場《サロメ》
オランダ/ネザーランド・オペラ及びスウェーデン/エーテボリ・オペラとの共同制作

オペラ全1幕
字幕付き原語(ドイツ語)上演
原作:オスカー・ワイルド
ドイツ語台本: ヘドヴィッヒ・ラッハマン
作曲:R.シュトラウス

指揮:シュテファン・ゾルテス
演出:ペーター・コンヴィチュニー

舞台美術・衣裳:ヨハネス・ライアカー
照明:マンフレット・フォス

舞台監督:幸泉浩司
公演監督:多田羅迪夫

【配役】

サロメ:林正子(22/25)、大隅智佳子(23/26)
ヘロデ:高橋淳(22/25)、片寄純也(23/26)
ヘロディアス:板波利加(22/25)、山下牧子(23/26)
ヨカナーン:大沼徹(22/25)、友清崇(23/26)
ナラボート:水船桂太郎(22/25)、大川信之(23/26)
ヘロディアスの小姓:栗林朋子(22/25)、田村由貴絵(23/26)
ユダヤ人1:大野光彦(22/25)、髙田正人(23/26)
ユダヤ人2:岡本泰寛(22/25)、菅野敦(23/26)
ユダヤ人3:与儀巧 (22/25)、新津耕平(23/26)
ユダヤ人4:松永国和(22/25)、加茂下稔(23/26)
ユダヤ人5:境信博(22/25)、畠山茂(23/26)
ナザレ人1:小田川哲也(22/25)、北川辰彦(23/26)
ナザレ人2:西岡慎介(22/25)、櫻井淳(23/26)
兵士1:吉川健一(22/25)、井上雅人(23/26)
兵士2:福山出(22/25)、倉本晋児(23/26)
カッパドキア人:須山智文(22/25)、千葉裕一(23/26)

管弦楽:東京都交響楽団

【会場】
東京文化会館 大ホール(JR上野駅公園口前)
【公演日程】

2012年
2月22日(火)19:00
2月23日(水)14:00※
2月25日(金)19:00
2月26日(土)14:00