ヤマハホールでのリサイタルは私にとって初めてとなりますが、今回のリサイタルはドイツ・ロマン派の名作を集めたプログラムでお届けします。
　ブラームスは晩年に多くのピアノの小品を作曲しましたが、ブラームス自身がこれらを「苦悩の子守歌」と称していたように、いずれも滲み出るような苦悩や後悔の念、夢や幻想的空想が極上の美しさで彩られており、特に今回取り上げます「3つの間奏曲 Op.117」は、その中でも傑作中の傑作と言えるのではないでしょうか。
　リストに献呈されたシューマンの「幻想曲」は、クララとの恋愛の行き先が見えぬ、非常に苦しい時代に作曲されました。クララへの愛の苦悩を浄化させるような、ロマンティックな抒情に溢れている超名作です。
　後半は、リストの有名な3作品を演奏いたします。天国と地獄を表現している、と言われるリストの作風と魅力が色濃く反映されている傑作達です。デモーニッシュなうねりと爆発的エネルギー、強く輝かしい光を放つ天国的な包容力、壮大な大自然の息吹･･･リスト作品の醍醐味をたっぷりお楽しみいただければと思います。
　ヤマハCFXの繊細で暖かい音色、重厚でスケールの大きな低音、多くの魅力と個性を、ヤマハホールの素晴らしい空間で存分に表現したいと思っております。
　会場で皆様とお目にかかれる事を、今から楽しみにしております！
若林 顕

■珠玉のリサイタル＆室内楽
若林 顕 ピアノ・リサイタル

2018.6/29（金）19：00 ヤマハホール

●出演
若林 顕（ピアノ）

●演奏曲目
J.ブラームス／3つの間奏曲 Op.117
R.シューマン／幻想曲 ハ長調 Op.17
F.リスト／バラード 第2番 ロ短調
／巡礼の年報 第2年 イタリア より 第5曲 ペトラルカのソネット 第104番
／第7曲 ダンテを読んで―ソナタ風幻想曲

●料金
全席指定：5,000円

●申込み方法：チケットぴあ
・TEL 0570-02-9999 ※座席選択不可　　
・Pコード：102-513 ※発売日11：00より座席選択可能

※都合により出演者、曲目が変更になる場合がございます。予めご了承ください。