ヴァイオリンを愛する兵士が、悪魔と出会ってしまったばかりに人生が狂わされ、最後は悲しい結末に向かっていく――ロシアの民話をもとにしたストーリーに、ストラヴィンスキーの閃きあふれる音楽が付けられた傑作、「兵士の物語」。ユニークな楽器編成のアンサンブル作品で、ストラヴィンスキーならではの組み合わせの妙が発揮されている。さらに朗読の語りも伴うため、ストーリーもわかりやすい。
難曲としても知られる本作品に挑むのは、NHK交響楽団の首席奏者陣を中心とした豪華アンサンブル。彼らは国内におけるそれぞれの楽器の代表的奏者でもあり、技巧の水準と合奏の練度、いずれも全幅の信頼をおける顔ぶれとなる。語りには、上方落語界を代表する桂米團治が登場ということで、そのみごとな話芸も楽しめるのはうれしい。
演奏会前半には、2つのアンサンブル作品が演奏される。今回N響打楽器奏者として出演もする多才な音楽家、竹島悟史による編曲で、ラヴェル「マ・メール・ロワ」が披露されるのも興味深い。ユニークな編成で再現されることで、名作の違う一面も体験できそう。
おとぎ話に魅入られ、悪魔のささやきに翻弄される――そんな濃密な一夜を銀座で過ごしてみてはいかがだろうか。
■NHK交響楽団メンバーによる
ストラヴィンスキー「兵士の物語」~語り:桂 米團治~
2017年9月30日(土)19:00 ヤマハホール
●出演
伊藤亮太郎(バイオリン)
西山真二(コントラバス)
伊藤 圭(クラリネット)
宇賀神広宣(ファゴット)
菊本和昭(トランペット)
新田幹男(トロンボーン)
竹島悟史(パーカッション)
桂 米團治(ナレーション)
●曲目
R.グリエール(F.プロト 編)/バイオリンとコントラバスのための組曲
M.ラヴェル(竹島悟史 編)/バレエ音楽「マ・メール・ロワ」
I.ストラヴィンスキー/兵士の物語
●料金
全席指定 7,000円
●チケット申込み方:チケットぴあ
・TEL 0570-02-9999 ※座席選択不可
・Pコード:326-818 ※発売初日は11:00より座席選択可能