ウィーン・プレミアム・コンサートに秋山和慶、小菅 優らが出演

 2021年3月に全国7都市(札幌、宮城、東京、豊田、名古屋、大阪、福岡)で行われる「ウィーン・プレミアム・コンサート」は、3種類のプログラムが披露される。
 今回出演するソリスト陣、共演者をご紹介。フォルクハルト・シュトイデ(ヴァイオリン)、ビルギット・ラムスル-ガール(フルート)、ベルンハルト・ハインリヒス(オーボエ)による独奏に加え、国内外で活躍を続けているピアニスト・小菅優がベートーヴェンの荘厳で深い世界をお届けする。
 また、日欧特別編成オーケストラを率い、ロマン派交響曲の重鎮ブルックナーの傑作「ロマンティック」を、マエストロ・秋山和慶が劇的に奏でる。

フォルクハルト・シュトイデ
(芸術監督/コンサートマスター/ヴァイオリン)

1971年ライプツィヒに生まれ、5歳よりヴァイオリンを始める。88年ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学に入学、ヨアヒム・ショルツ、ヴェルナー・ショルツ両教授に師事。大学在学中、エスタ国際ヴァイオリン・コンクール第4位入賞、シュポア国際ヴァイオリン・コンクールにて特別賞を受賞する他、グスタフ・マーラー・ユース管弦楽団の第1コンサートマスターを務める等、オーケストラ奏者としても活躍。94年同大学卒業と同時にウィーンに留学、元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団奏者であるアルフレド・スター教授に師事。同年コンサートマスターとしてウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団、98年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に入団、99年よりコンサートマスターを務めている。2002年には自らが主宰するシュトイデ弦楽四重奏団を結成する等、ソロや室内楽の多方面で活躍している。


小菅 優(ピアノ)

2005年カーネギーホールで、翌06年にはザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタル・デビュー。ドミトリエフ、デュトワ、小澤等の指揮でベルリン響、フランクフルト放送響、シュトゥットガルト放送響等と共演。10年ザルツブルク音楽祭でポゴレリッチの代役としてヘレヴェッヘ指揮カメラータ・ザルツブルクと共演。13年2月服部譲二指揮ウィーン室内管と共演、同年12月ロンドン ウィグモア・ホールでリサイタル。2010年から15年にはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会(全8回)を東京、大阪で行い各方面から絶賛を博した。さらに現在はソロだけでなく室内楽や歌曲伴奏を含む、ベートーヴェンのすべてのピアノ付き作品を徐々に取り上げる新企画「ベートーヴェン詣」に取り組んでいる。第13回新日鉄音楽賞、04年アメリカ・ワシントン賞、第8回ホテルオークラ音楽賞、第17回出光音楽賞を受賞。14年に第64回芸術選奨音楽部門 文部科学大臣新人賞、17年に第48回サントリー音楽賞受賞。16年秋、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集完結記念ボックスセットをリリース。2017年から4つの元素「水・火・風・大地」をテーマにした新リサイタル・シリーズ『Four Elements』に取り組み2020年秋に最終回を迎えた。


ビルギット・ラムスル-ガール(フルート)

クレムス・アン・デア・ドナウ(オーストリア)に生まれる。ウィーン国立大学にてW.シュルツ、B.ギスラー-ハーセの両氏に師事。ミュンヘン音楽大学にてA.アドリアンに師事。1996年オーストリア青少年音楽コンクール第1位及び特別賞、2000年ウィスバーデン・モーツァルト賞、2005年ジャン=ピエール・ランパル国際フルート・コンクール優勝等、数多くの受賞歴を持つ。また、日本財団、メニューイン・ファンデーション、グスタフ・マーラー管弦楽団等より助成金を授与される。ソリストとして、これまではトーンキュンスラー管弦楽団、パリ室内管弦楽団、カメラータ・ハンブルグ、ウィーン交響楽団バロック・アンサンブル、東京室内管弦楽団等と協演。ザルツブルク音楽祭を始め、リヒャルト・シュトラウス音楽祭等世界各地の主要音楽祭に出演。現在、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団のソロ・フルーティストを務める。


ベルンハルト・ハインリヒス(オーボエ)

1963年バンベルク(ドイツ)に生まれる。ミュンヘン音楽大学にてG.パッシン教授に師事。アーキス五重奏団のメンバーとして、ボンで開催したドイツ音楽コンクールを始め、ベオグラード(セルビア)、コルマール(フランス)等で開催された音楽コンクールにて受賞。91年チューリッヒ歌劇場管弦楽団のソロ・オーボエ奏者に就任。N.アーノンクール、F.ウェルザー=メスト、C.アバド、R.シャイー、C.v.ドホナーニ、B.ハイティンク等の著名な指揮者と共演する他、ザルツブルク音楽祭やシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭、PMF等の世界各地の音楽祭に招かれ、S.マイヤー(クラリネット)、C.テツラフ(ヴァイオリン)、G.オピッツ(ピアノ)、C.エッシェンバッハ(ピアノ)、L.O.アンスネス(ピアノ)等一流音楽家と共演し、室内楽奏者として活躍している。また、画家としてのキャリアも持ち、チューリッヒ、オスロ、マイアミ、ミュンヘン、ウィーン、ストックホルム等で絵画が展示されている。

 

 


秋山和慶(指揮)

1941年生まれ。斎藤秀雄のもとで指揮法を修め、1963年に桐朋学園大学音楽学部を卒業。1964年2月に東京交響楽団を指揮してデビューののち同団の音楽監督・常任指揮者を40年間にわたり務める。その間、アメリカ響音楽監督、バンクーバー響音楽監督(現在桂冠指揮者)、シラキュース響音楽監督等を歴任。また、ニューヨーク・フィル、ボストン響、クリーヴランド管、シカゴ響、ケルン放響、ベルリン放響、北ドイツ放響、スイス・ロマンド管等世界の一流オーケストラに客演している。 これまでにサントリー音楽賞、芸術選奨文部大臣賞、大阪芸術賞、毎日芸術賞、川崎市文化賞、京都音楽賞大賞等を受賞。2001年紫綬褒章、2011年旭日小綬章を受章。2014年度文化功労者に選出。現在、中部フィルハーモニー交響楽団芸術監督・首席指揮者、日本センチュリー交響楽団ミュージックアドバイザー、東京交響楽団桂冠指揮者、広島交響楽団終身名誉指揮者、九州交響楽団桂冠指揮者等多くの任を務める他、洗足学園音楽大学芸術監督・特別教授、京都市立芸術大学客員教授を務めている。


名古屋フィルハーモニー交響楽団

“名フィル”の愛称で親しまれ、日本のプロ・オーケストラとして確固たる地位を築いている。
2016年小泉和裕が音楽監督に就任。指揮者陣には、川瀬賢太郎(正指揮者)、小林研一郎(桂冠指揮者)、モーシェ・アツモン(名誉指揮者)、ティエリー・フィッシャー(名誉客演指揮者)が名を連ねている。また、藤倉大、酒井健治に続き、2020年4月には坂田直樹が第3代コンポーザー・イン・レジデンスに就任。
楽団創立は1966年7月。1973年に名古屋市の出捐により財団法人に、2012年に公益財団法人となる。意欲的なプログラミングの「定期演奏会」をはじめ、有名作品を中心に取り上げる「市民会館名曲シリーズ」、「福祉コンサート」、「名古屋市内小・中学校移動音楽鑑賞教室」等、バラエティに富んだ年間約120回の演奏会を実施している。
https://www.nagoya-phil.or.jp