今春の東京春祭の歌曲シリーズ vol.28、マルクス・アイヒェ(バリトン)&クリストフ・ベルナー(ピアノ)では、300以上の歌曲を書いたブラームス唯一の、そして代表的な歌曲作品として知られる連作歌曲集「ティークの『マゲローネ』によるロマンス op.33」がとりあげられる。
同曲は、ドイツ・ロマン主義を代表する作家・詩人であるルートヴィヒ・ティークによる、ナポリの王女マゲローネとプロヴァンスの伯爵ペーターとの恋物語を描いた小説『美しきマゲローネ』にもとづくもの。しかし、ブラームスはもっぱら小説のなかの「詩」に曲をつけるにとどまったため、この作品の理解に小説の朗読は欠かせない。
本公演でも前口上に始まりアイヒェの歌と歌の間に朗読が挟まれるが、その朗読に俳優の奥田瑛二の起用が決まった。
俳優・映画監督として幅広く活躍する奥田瑛二は、過去には『ラブ・レターズ』(1998年パルコ劇場)で朗読を披露し高く評価された。また、クラシック音楽とのコラボレーションも多く、ストラヴィンスキーの『兵士の物語』(2007)では語りを務め話題となった。
円熟の極みに達した奥田瑛二の朗読とアイヒェのロマンティックな甘い美声が相まって、マゲローネと伯爵ペーターとの恋物語が生き生きと息づく一夜となるだろう。
*本公演は、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から中止となりました。(3/17主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
https://www.tokyo-harusai.com/news_jp/20200317/
【公演情報】
東京春祭 歌曲シリーズ vol.28
マルクス・アイヒェ(バリトン)& クリストフ・ベルナー(ピアノ)
2020.3/23(月)19:00 東京文化会館 小ホール
●出演
バリトン:マルクス・アイヒェ
ピアノ:クリストフ・ベルナー
朗読:奥田瑛二
●曲目
ブラームス:ティークの「マゲローネ」によるロマンス op.33