ミュージアム・コンサート 天羽明惠(ソプラノ)&山田武彦(ピアノ)

 作曲家グスタフ・マーラーの妻であり、絵画、文学、哲学、作曲などに関心を抱いて才能を発揮したアルマ・マーラーは、画家エミール・ヤーコプ・シンドラーの娘として、幼少のころからウィーンのさまざまな芸術家と交流した。やがてアレクサンダー・ツェムリンスキーに師事して作曲を学んだアルマは、歌曲を中心にいくつかの作品を残していく。

 その美貌と知性に魅了されたのはマーラーばかりではなく、画家のグスタフ・クリムト、建築家のヴァルター・グロピウス、画家のオスカー・ココシュカ、小説家のフランツ・ヴェルフェルをはじめ数えきれないほど。マーラーは結婚後、彼女に作曲することを禁止し、家事に専念することを求めたが、作曲家のアルバン・ベルクも彼女をサポートし、常にアルマは音楽界、社交界の花形的存在であった。

 そんなアルマが生きた時代を彷彿とさせるさまざまな作曲家の歌曲が、美しい天羽明惠の歌声と山田武彦の絶妙のピアノとのデュオで披露される。特筆すべきは、アルマ作曲の歌曲が登場すること。その時代の空気を全身にまとうような気分になり、『クリムト展 ウィーンと日本1900』への関心が高まっていく。
文:伊熊よし子


【公演情報】
ミュージアム・コンサート
「クリムト展」プレ・コンサート vol.3
天羽明惠(ソプラノ)&山田武彦(ピアノ)

2019/4/13 [土] 14:00 東京都美術館 講堂

●出演
ソプラノ:天羽明惠
ピアノ:山田武彦

●曲目
【ファム・ファタールーー芸術家たちの女神】

G.マーラー:《リュッケルトの詩による5つの歌曲》より
 「私はほのかな香りを吸いこむ」
 「美しさゆえに愛するのなら」
R.シュトラウス:私は花束を編むつもりだった(《6つの歌》op.68 より)
プフィッツナー:孤独な女(《5つの歌曲》op.9 より)
プフィッツナー:あなたの美しさは何処から(《6つの愛の歌》op.35 より)
ツェムリンスキー:フォークソング(《6つの歌曲》op.22)
ツェムリンスキー:ばらのイルメリン(《ばらのイルメリンとその他の歌》op.7より)
A.マーラー:《5つの歌曲》より
 「静かな都会」
 「爽やかな夏の夜」
ベルク:《7つの歌曲》より
 「葦の歌」
 「室内で」
 「無上の夢」
コルンゴルト:《3つの歌》op.22 より
 「世界は静かにまどろみ」
 「あなたは私の何?」

●チケット料金(税込)
全席自由¥2,100