ミュージアム・コンサート 石川 滋(コントラバス)

 コントラバス・ソロによるバッハとヴァインベルクなどのコンサート。コントラバスによるバッハの無伴奏チェロ組曲(第1番と第5番)の演奏はかなり高度のテクニックを必要とするが、コントラバスの深く、幅広い響きでの演奏には、チェロでは感じないような意外な発見があるだろう。

 演奏するのは石川滋。読売日本交響楽団のソロ・コントラバス奏者として活躍している。慶應義塾大学卒業だが、桐朋学園大学のディプロマ・コースにも在籍し、その後アメリカのエール大学音楽学部、ジュリアード音楽院で学んだという経歴を持つ。バッハの演奏は自らのライフワークであると言う。

 今回のプログラムの中で異色なのは、ヴァインベルクの「無伴奏コントラバスのためのソナタ」だろう。ヴァインベルクはポーランド出身のユダヤ人で、ナチス侵攻に伴いソヴィエトへ移住し、そこで音楽家として活躍した。ショスタコーヴィチと親交を結んでいたことでも知られている。この無伴奏ソナタは1971年の作品で、6つの楽章から構成されている。
 ソロ楽器としてのコントラバスの魅力を発見したいコンサートだ。
文:片桐卓也


【公演情報】
ミュージアム・コンサート
東博でバッハ vol.45 石川 滋(コントラバス)

2019.4/3(水)19:00
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール

●出演
コントラバス:石川 滋

●曲目
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007(コントラバス版)
 I. Prélude
 II. Allemande
 III. Courante
 IV. Sarabande
 V. Menuet I/II
 VI. Gigue
ヴァインベルク:無伴奏コントラバスのためのソナタ op.108
 I. Adagio
 II. Allegretto
 III. Moderato
 IV. Allegretto
 V. Lento
 VI. Allegro molto
J.S.バッハ(ラムジー編):2つのプレリュード
鈴木鎮一: 前奏と名古屋の子守唄
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011(コントラバス版)
 I. Prélude
 II. Allemande
 III. Courante
 IV. Sarabande
 V. Gavotte I/II
 VI. Gigue

●チケット料金(税込)
全席自由 ¥3,600