名手たちによる室内楽の極(きわみ)

 東京・春・音楽祭では恒例の人気室内楽シリーズとなった、「名手たちによる室内楽の極」。気鋭の男性奏者たちが楽しそうに音を合わせ、個性をぶつけ合う、丁々発止のやりとりが聴きものの公演だ。毎年、どんな演目がとりあげられるのか楽しみにしている方も多いことだろう。
 今年は、公私ともに仲良しで、長原幸太、鈴木康浩、上森祥平という同シリーズおなじみのメンバーに加えて、ソリストとして活躍しながら、室内楽での評価が抜群のピアニスト、津田裕也を迎える。

 弦の三人が冒頭に弾くベートーヴェンの弦楽三重奏曲第4番、みずみずしいサウンドによる掛け合いが期待できるモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番も楽しみだが、特に期待したいのは、R.シュトラウス若き日の作品であるピアノ四重奏曲。のちにオペラ作曲家として大成功する彼が青春時代に書いた室内楽曲から、名手たちが、特有のロマンティシズムや、メロディとハーモニーの魅力を届けてくれる。脂ののった奏者たちが集って奏でる刺激的な音楽を、存分に楽しもう。
文:高坂はる香


【公演情報】
名手たちによる室内楽の極
〜ベートーヴェン、モーツァルト、R.シュトラウス

2019.3/26(火)19:00 東京文化会館 小ホール

●出演
ヴァイオリン:長原幸太
ヴィオラ:鈴木康浩
チェロ:上森祥平
ピアノ:津田裕也

●曲目
ベートーヴェン:弦楽三重奏曲 第4番 ハ短調 op.9-3
 I. Allegro con spirito
 II. Adagio con espressione
 III. Scherzo. Allegro molto e vivace
 IV. Finale. Presto
モーツァルト:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K.478
 I. Allegro
 II. Andante
 III. Rondo
R.シュトラウス:ピアノ四重奏曲 ハ短調 op.13
 I. Allegro
 II. Scherzo. Presto
 III. Andante
 IV. Finale. Vivace

●チケット料金(税込)
S¥4,600 A¥3,100 U-25¥1,500