知られざる指揮者に瞠目せよ!〜東京春祭10年目のフィナーレは壮大な合唱の祭典

 世界にはまだまだ知られざる名匠がいるものだ・・・

 クリスティアン・マンデアルという名を聞いて、その演奏を思い浮かべられる人は、たとえクラシック音楽に携わるものでも多くはないだろう。

 1946年生まれのマンデアルは、ルーマニアでピアノ、作曲、指揮を学んだのち、カラヤン、チェリビダッケらにつき研鑽を積んだ、ルーマニアを代表する名指揮者。 1989年のチャウシェスク政権崩壊を機に西ヨーロッパにも少しずつ活動の場を広げるが、それまでは東ヨーロッパを中心に活動していたため、いわば知られざる指揮者だった。

 1991年から現在に至るまで、ジョルジュ・エネスコ・フィルハーモニーの首席指揮者を務め、日本には2009年に同フィル日本公演で来日。同フィル以外には、ウィーン・フィル、ベルリン・ドイツ・オペラ管、ベルリン国立歌劇場管、ドレスデン国立歌劇場管、ドレスデン・フィル、ミュンヘン・フィル、バイエルン放送響、hr響(旧フランクフルト放送響)等を指揮してきた。

 その知られざる指揮者マンデアルが、期せずして日本のオケを指揮することになった。

 かつて、ユーゴスラビア出身の指揮者ロヴロ・フォン・マタチッチが67歳にして初めて日本で指揮(N響)、その後20年近くの長きに渡りN響と名演を繰り広げてきた例もあるように、マンデアル&都響のコンビにも名演が生まれる可能性が秘めている。

 さて、東京春祭10周年のフィナーレを彩るのは、東京オペラシンガーズを中心に祝祭感あふれる合唱曲の数々。それに日本を代表するオペラ歌手、澤畑恵美、竹本節子、福井敬、甲斐栄次郎が華をそえる。

 まず、「ハレルヤ」で祝詞をあげ、バッハ、ハイドン、ベートーヴェンを経て、ワーグナーのオペラ・楽劇を毎年1作ずつ演奏会形式で上演してきた東京春祭を象徴するワーグナー、そして、マーラーの壮大な調べで締めくくる。

当日券は、S:¥10,000 A:¥8,000 B:¥6,000 C:¥5,000 D(若干枚):¥4,000を、13:30より東京文化会館 大ホール当日券窓口にて販売

■東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.1
10th Anniversary ガラ・コンサート
〜壮大なる調べ、祝祭感あふれる合唱名曲選
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_1831.html

■日時・会場
4.13 [日] 15:00開演
東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:クリスティアン・マンデアル
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:竹本節子
テノール:福井 敬
バリトン:甲斐栄次郎
管弦楽:東京都交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ

■曲目
ヘンデル:オラトリオ《メサイア》より「ハレルヤ」
J.S.バッハ:コラール「主よ、人の望みの喜びを」(カンタータ《心と口と行いと命もて》BWV147より)
ハイドン:オラトリオ《天地創造》より「大いなる偉業は成りたり」
ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」より 第4楽章
ワーグナー:
 歌劇《タンホイザー》より「歌の殿堂をたたえよう」(祝典行進曲)
 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》より「目覚めよ、朝は近づいた」
R.シュトラウス:祝典行進曲 op.1
マーラー:交響曲 第2番 ハ短調《復活》より 第5楽章(抜粋)

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