2018年の東京・春・音楽祭のオープニングを飾るのは、ポーランド出身の世界的バス・バリトン歌手のトマス・コニエチュニーと、同じくポーランドのクラクフを本拠とする弦楽合奏団、シンフォニエッタ・クラコヴィアによる2日にわたる公演。
コニエチュニーは、その朗々とした歌唱と多彩な表現で、世界の名門歌劇場に出演し続けるスター歌手。17年までの東京春祭ワーグナー・シリーズ《ニーベルングの指環》アルベリヒ役で出演したほか、16年ウィーン国立歌劇場《ワルキューレ》日本公演ではヴォータン役を務めるなど、日本でもおなじみの存在だ。シンフォニエッタ・クラコヴィアは、ウィーン・フィルのメンバーであり指揮者としても著しい活躍を見せる才人、ユレク・ディバウが14年から総監督及び首席指揮者を務め、近年活躍の場を拡大中のアンサンブルである。クラクフは作曲家クシシュトフ・ペンデレツキの故郷であり、同団は彼の支援も受けて多彩な共演者を迎えるなど関係が深い。
そんな彼らによる2公演、初日は「マーラーに捧ぐ」と題し、マーラー作品とマーラー編曲のシューベルト「死と乙女」といった名作を集めて。コニエチュニーの「亡き子をしのぶ歌」は深い表現による感動的な歌唱を期待したい。2日目は「スラヴィック・メロディ――ペンデレツキ生誕85年に寄せて」。前半は縁ある巨匠ペンデレツキの作品と、コニエチュニー入魂の歌によるムソルグスキー「死の歌と踊り」で緊張感ある舞台、そして後半はドヴォルザークの名作「弦楽セレナード」で美しい旋律に浸れる、多彩な公演。古都の響きで春の訪れを感じる、開幕の2公演となる。
■シンフォニエッタ・クラコヴィア with トマス・コニエチュニー (バス・バリトン) I
~マーラーに捧ぐ
2018.3.16(金)19:00 東京文化会館 小ホール
曲目
マーラー:
アダージェット(交響曲 第5番 嬰ハ短調 第4楽章)
《亡き子をしのぶ歌》
第1曲 いま太陽は輝き昇る
第2曲 なぜそんなに暗い眼差しか、今にしてよくわかる
第3曲 お前のお母さんが戸口から入ってくるとき
第4曲 ふと思う、あの子はちょっと出かけただけなのだと
第5曲 こんな嵐に
シューベルト(マーラー編):《死と乙女》
■シンフォニエッタ・クラコヴィア with トマス・コニエチュニー (バス・バリトン) II
~スラヴィック・メロディ――ペンデレツキ生誕85年に寄せて
2018.3.17(土)15:00 東京文化会館 小ホール
曲目:
ペンデレツキ:
シンフォニエッタ 第3番 《書かれなかった日記のページ》
アニュス・デイ(《ポーランド・レクイエム》 より) (弦楽合奏版)
ムソルグスキー:《死の歌と踊り》
第1曲 子守歌
第2曲 セレナード
第3曲 トレパーク
第4曲 司令官
ドヴォルザーク:弦楽セレナード op.22
■出演
バス・バリトン:トマス・コニエチュニー
指揮:ユレク・ディバウ
弦楽合奏:シンフォニエッタ・クラコヴィア
■料金
S席 ¥7,700 A席 ¥6,100 U-25※ ¥1,500
*U-25チケットは、2018年2月9日(金)12:00発売開始
■チケット発売日:11月26日(日)10:00
*先行発売:11月12日(日)10:00