アンサンブルの土台となって深い音で支える低音楽器。他を支えつつコントロールする役割は十分に魅力的だが、そんな楽器が主役となるときの表現力も見逃せない魅力である。低音楽器同士の組み合わせは、作曲家にとっても可能性の大きい編成だったようで、作品も数多く、なかでもチェロとコントラバスという編成は定着している。本公演でも、同編成の代表的名作であるロッシーニ作品をはじめ、古典から現代までの作品たちが披露される。
演奏者が豪華だ。コントラバスはNHK交響楽団首席奏者の吉田秀。N響を支えるリーダーとして見慣れた存在であり、そのあたたかい人柄同様の合奏力と、オーケストラではなかなか見る機会のないような超絶技巧とを見せてくれるだろう。そして、チェロは名手の遠藤真理。すでにソリストとして日本中で活躍し、NHK-FMのクラシック音楽番組「きらクラ!」で長くパーソナリティを務めてきた彼女は、この4月からは読売日本交響楽団のソロ・チェロ奏者に就任することも発表されたばかり。奏者としての実力からしなやかな人間力まで、幅広くトップクラスの活躍を繰り広げる遠藤。この2人によるデュオは、編成の珍しさという枠を超えたすばらしい音楽体験になるに違いない。
吉田 秀(コントラバス)&遠藤真理(チェロ)
2017.4.12[水]19:00 国立科学博物館 日本館講堂
■出演
コントラバス:吉田 秀
チェロ:遠藤真理
■曲目
バリエール:チェロとコントラバスのためのソナタ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
モーツァルト:ファゴットとチェロのためのソナタ 変ロ長調 K.292
(チェロとコントラバス版)
ハルトマン:デュエット
ターエッツキー:ポエム、ポートレイト、バラードそしてブルース より
ロッシーニ:チェロとコントラバスのための二重奏曲 ニ長調
■料金
¥3,600(全席自由)