【5/14まで】東京春祭 公式プログラムをオンラインで販売中!

 いまや音楽祭の“顔”とも言える巨匠、リッカルド・ムーティも無事来日し、いよいよ終盤に入った「東京・春・音楽祭 2021」。公演会場に足を運び生の演奏を楽しんだり、有料ライブ・ストリーミング配信で自宅でくつろぎながら楽しんだり、あるいはムーティの「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.2《マクベス》アカデミー聴講プログラム/リハーサル」の無料ライブ配信でヴェルディの真髄に触れたりと、コロナ禍にあって楽しみ方も拡がった今年の東京春祭では、これまで公演会場でしか入手できなかった音楽祭 公式プログラムをオンラインで販売している。

東京・春・音楽祭2021 公式プログラム

 公式プログラムというと、曲目解説を中心に演奏家のプロフィールなどが掲載されているのが一般的だ。ところが、東京春祭の公式プログラムはそれらとはまったく異なる趣向で作られている。

 たとえば、今年の公式プログラムには、ムーティの巻頭言が4ページにわたり掲載、「音楽・音楽家の使命」「コロナ禍でのあらたな試み」「ライフワークともいえる、アカデミー」などについてムーティの胸の内が詳細に綴られる。また、残念ながら中止となった「東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.12《パルジファル》」では日本を代表するワーグナー研究家の山崎太郎による《パルジファル》への新たな考察が寄稿されたり、「イタリア・オペラ・アカデミー 」やヴェルディ《マクベス》では、こちらもヴェルディと言えばこの人、小畑恒夫が「《マクベス》を生み出すまでのヴェルディ」を3ページにわたり寄稿・掲載している。
 このように、全公演について、そこで演奏される作品の作曲意図や演奏家、作曲家などの周辺にまで至る、エッセイや論文で纏められているのだ。しかもB5版、250ページを超える大判だ。それでいて価格は1冊500円(税込)と安い。

 東京春祭公式プログラムは、いわば、良質のエッセイ集・論文集とも言える。もちろん公演日程、会場、曲目のほか、全出演者の詳細なプロフィールも掲載されており、毎年これを入手することで、かなりの質・量の資料を手に入れられるというわけだ。
 これは、曲目解説については小冊子が公演当日会場で無料で配布されるからできることであって、他に類をみないものだ。そして、この試みは、長年にわたり一貫する。表紙に特色を使用したり、特殊印刷を施すなど、毎年その装丁にもこだわっているのも特徴のひとつだ。

これまでの公式プログラム

 ちなみに、今回のオンライン販売では昨年(2020年)の公式プログラムも販売している。「東京・春・音楽祭2020 公式プログラム」では、昨年中止・延期公演となったヴェルディ《マクベス》について、小畑は今年とは違うテーマ「ヴェルディ初期作品群の傑作」としての《マクベス》について解説している。また、中止となった「東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.11《トリスタンとイゾルデ》」についての論文があったり、昨年生誕250年のメモリアル・イヤーを迎えたベートーヴェンについてのエッセイも8ページ掲載されている。
 このように、《マクベス》同様に昨年中止、今年に延期された公演についても、昨年と今年の公式プログラムではすべて重複しない解説内容となっているから、両方入手しても損はない。2020年の公式プログラムはB5版、290ページを超える。


【プログラム購入】
「東京・春・音楽祭2021」公式プログラム
「東京・春・音楽祭2020」公式プログラム
各500円(税込)
https://harusai.base.shop

※オンライン購入には別途送料がかかります

左:東京・春・音楽祭2021 公式プログラム
右:東京・春・音楽祭2020 公式プログラム