日頃オーケストラで活躍する名手たちによる室内楽公演は、この音楽祭の大きな魅力のひとつとなっている。N響メンバーによる室内楽としては、これまでにベートーヴェン、ブラームスの弦楽四重奏曲が演奏されてきたが、今回はフレッシュな顔ぶれでモーツァルト、ブリテン、ショスタコーヴィチの作品が演奏される。
メンバーはN響第2ヴァイオリン首席奏者の大林修子をはじめ、同第1ヴァイオリンの大宮臨太郎、ヴィオラの坂口弦太郎、チェロの山内俊輔、さらにオーボエの池田昭子が加わる。オーボエの参加によってぐっとプログラムが多彩になっているのがうれしいところ。モーツァルトのオーボエ四重奏曲やブリテンの幻想曲Op.2では、オーボエ・ソロの魅力をたっぷりと堪能できる。
また、ショスタコーヴィチ作品からは弦楽四重奏曲第1番と第8番がとりあげられる。第8番は全15曲の弦楽四重奏曲のなかでもしばしば最高傑作に挙げられる名曲。同曲はバルシャイの弦楽合奏用編曲による「室内交響曲」としてオーケストラのレパートリーにも定着しているわけだが、その原曲をN響の精鋭たちが演奏するというのもおもしろい。深い感銘を残してくれるのではないか。
文:飯尾洋一
【公演情報】
ミュージアム・コンサート
N響メンバーによる室内楽
2019.4/6(土)14:00 国立科学博物館 日本館講堂
●出演
ヴァイオリン:大林修子、大宮臨太郎
ヴィオラ:坂口弦太郎
チェロ:山内俊輔
オーボエ:池田昭子
●曲目
モーツァルト:
オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370
アダージョ ハ長調 K.580a
ブリテン:幻想曲 op.2
ショスタコーヴィチ:
弦楽四重奏曲 第1番 ハ長調 op.49
弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 op.110
●チケット料金(税込)
全席自由¥3,600