スペシャル・ガラ・コンサート

 一か月にわたって上野の森を賑わせてきた東京春祭の千秋楽公演となる「グランド・フィナーレ」、今年はオペラ界のライジングスターたちによるガラ・コンサートで華々しく幕を閉じる。
 出演歌手の3人、ソプラノのクリスティナ・パサローユ、テノールのイヴァン・マグリ、バスのアドリアン・ザンペトレアン、いずれも欧米の一流歌劇場ですでに出演を重ね、世界的指揮者や歌手との共演による舞台や録音・録画も多く、その一覧リストはここでは挙げきれないほど。スター歌手の階段をのぼり続けている彼らによるイタリアオペラの名アリアの数々は、その美声を堪能できるばかりか、将来語り草になる可能性も秘める。
 さらに注目なのが、実は指揮者だ。
 イタリア生まれの女性指揮者、スペランツァ・スカップッチは、すでにウィーン国立歌劇場で《椿姫》《チェネレントラ》の指揮を任せられ、今後もローマ、チューリヒ、ウィーン、リセウなど欧米の名だたる一流歌劇場に出演予定。期待の若手女性指揮者という次元はとっくに超えて、いまやその活躍が世界で最も注目される指揮者のひとりである。以前は巨匠リッカルド・ムーティのアシスタントを長く務め、2008年ウィーン国立歌劇場来日公演《コジ・ファン・トゥッテ》ではハンマークラヴィーアで出演していたこともあり、彼の秘蔵っ子ともいえるかもしれない。本公演はその才能を体験できるまたとないチャンス。ニューウェーブたちの眩しい輝きを脳裏に焼き付けたい。

左より)スペランツァ・スカップッチ(指揮)、クリスティナ・パサローユ(ソプラノ)、イヴァン・マグリ(テノール)、アドリアン・ザンペトレアン(バス)

スペシャル・ガラ・コンサート
〜東京春祭2017 グランド・フィナーレを飾るオペラの名曲たち

2017.4.16[日]15:00 東京文化会館 大ホール

■出演
指揮:スペランツァ・スカップッチ
ソプラノ:クリスティナ・パサローユ
テノール:イヴァン・マグリ
バス:アドリアン・ザンペトレアン
管弦楽:東京春祭特別オーケストラ

■曲目
モーツァルト:
 歌劇 《フィガロの結婚》 序曲
 歌劇 《フィガロの結婚》 第1幕 より 「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」
ヴェルディ:
 歌劇 《ナブッコ》 序曲
 歌劇 《リゴレット》 第3幕 より 「女心の歌」
 歌劇 《リゴレット》 第1幕 より 「慕わしい人の名は」
 歌劇 《エルナーニ》 第1幕 より 「不幸な人よ!」
 歌劇 《椿姫》 第2幕 より 「燃える心を」
 歌劇 《椿姫》 第3幕 より 「パリを離れて、いとしい人よ」
 歌劇 《椿姫》 第1幕 より 「不思議だわ!……ああ、そはかの人か……花から花へ」
ベッリーニ:歌劇 《ノルマ》 序曲
ドニゼッティ:歌劇 《愛の妙薬》 第1幕 より ネモリーノとドゥルカマーラの二重唱
ドニゼッティ:歌劇 《愛の妙薬》 第2幕 より 「人知れぬ涙」
ロッシーニ:歌劇 《セビリアの理髪師》 第1幕 より 「陰口はそよ風のように」
ドニゼッティ:歌劇 《ドン・パスクアーレ》 第1幕 より 「騎士はあの眼差しを」
プッチーニ:歌劇 《マノン・レスコー》 間奏曲
プッチーニ:歌劇 《ラ・ボエーム》 第1幕 より「冷たい手を……私の名はミミ……愛らしい乙女よ」
/他

■料金
S席 ¥12,400 A席 ¥10,300 B席 ¥8,200 C席 ¥6,200 D席 ¥4,100 E席 ¥3,100 U-25※ ¥2,000
※ U-25チケットは公式サイトのみでの取扱い