昨年10月に開催された、第11回 国際オーボエコンクール・軽井沢。初回から30周年となる節目に、アジア勢として初めて、第1位[大賀賞]を受賞したのが、荒木奏美だ。9歳でオーボエを始め、東京芸大在学中ながら、昨年6月から東京交響楽団の首席を務める逸材。海外勢も含め、名手ひしめく同コンクールにあって、彼女の美しい音色は、第一次予選の段階から群を抜いていたという。今回は、「東京・春・音楽祭」での、受賞記念のリサイタル。ピアノの宇根美沙惠と共に、バッハ「ソナタ ホ長調BWV1035」やシューマン「幻想小曲集」、スカルコッタス「コンチェルティーノ」を。さらに、軽井沢のコンクールの課題曲でもあった細川俊夫「スペル・ソング— 呪文のうた」をソロで披露。そして、ヴァイオリン水谷晃、ヴィオラ青木篤子、チェロ伊藤文嗣を交えて、ブリテン「幻想四重奏曲」とモーツァルト「オーボエ四重奏曲」を演奏。最後は、再び宇根と共演し、旋律美と超絶技巧に彩られたパスクッリ「《椿姫》の楽しい思い出」で華麗に締め括る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年4月号から)
4/12(火)19:00
上野学園 石橋メモリアルホール
問:東京・春・音楽祭チケットサービス03-3322-9966
http://www.tokyo-harusai.com