上野の森美術館で開催される『VOCA展2020 現代美術の展望ー新しい平面の作家たちー』との連動企画として、同館展示室で安達真理のヴィオラによるミュージアム・コンサート「現代美術と音楽が出会うとき」が開かれる。共演はチェロの山澤慧。無伴奏ヴィオラ作品を中心にヴィオラとチェロの二重奏によるプログラムが組まれた。ハチャトゥリアンの無伴奏ヴィオラ・ソナタ「歌」や、ルトスワフスキの「牧歌集」、ドルジーニンの無伴奏ヴィオラのためのソナタなど、日頃耳にする機会の少ない曲をたっぷりと聴ける、発見の多い公演となりそうだ。ストラヴィンスキー、クラーク、ヒンデミットらの作品も並び、20世紀ヴィオラ作品傑作選といった趣。
黛敏郎の「文楽」は無伴奏チェロのための作品として名高いが、これをヴィオラで演奏するというのが興味深い。原曲は三味線や義太夫節をチェロの音楽に変換している。これをヴィオラで演奏するとどんな響きが生まれてくるのだろうか。国際的に活躍する名手による新鮮で刺激的な好企画だ。
文:飯尾洋一
【公演情報】
ミュージアム・コンサート
安達真理(ヴィオラ)〜現代美術と音楽が出会うとき
2020.3/26(木)19:00 上野の森美術館 展示室
●出演
ヴィオラ:安達真理
チェロ:山澤 慧
●曲目
ストラヴィンスキー:悲歌
ハチャトゥリアン:無伴奏ヴィオラ・ソナタ《歌》
ルトスワフスキ:牧歌集
ジョリヴェ:5つの田園詩
クラーク:ヴィオラとチェロのための2つの小品 《子守歌とグロテスク》
ドルジーニン:無伴奏ヴィオラのためのソナタ
ヒンデミット:二重奏曲 断章
黛 敏郎:文楽(ヴィオラ版)
●チケット料金(税込)
全席自由¥3,700