東京・春・音楽祭特別公演 ベルリン・フィル in Tokyo 2020 概要発表

 2020年6月に開催される「東京・春・音楽祭特別公演 ベルリン・フィル in Tokyo 2020」の記者発表が11月22日、東京文化会館で行われた。登壇者は同音楽祭実行委員会 実行委員長の鈴木幸一、同音楽祭 事務局長の芦田尚子、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 事務総長の武藤敏郎、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団財団 ゼネラルマネージャーのアンドレア・ツィーツシュマン、ベルリン・フィルのソロ・チェロ奏者でメディア代表のオラフ・マニンガーの5名。
(2019.11/21 東京文化会館 photo:J.Otsuka/Tokyo MDE)

左より:鈴木幸一、武藤敏郎、アンドレア・ツィーツシュマン、オラフ・マニンガー

 本公演は、東京2020大会の公式文化プログラム「東京2020 NIPPONフェスティバル」の共催プログラム。東京・春・音楽祭の特別公演として、6月24日から26日までの3日間は東京文化会館で、6月27日には新宿御苑 風景式庭園にて「ベルリン・フィル〈1万人の野外コンサート〉」を実施する(荒天の場合は6月28日に実施)。指揮は全公演、グスターボ・ドゥダメルが務める。

左:グスターボ・ドゥダメル C)Stephan Rabold
右:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 C)Stefan Höderath

 同音楽祭実行委員長の鈴木は冒頭の挨拶で、「インターネットの発明によって全てがバーチャル化されてきたが、人々が一つの場に集まることが重要と思い、15年前に東京・春・音楽祭を始めた。2020大会を機に世界の人々が東京に集まり、スポーツだけでなく文化プログラムも体験できる公演を組めたことに喜びを感じている」と述べた。

鈴木幸一

 プログラムは3種4公演となっている。まずプログラムAは「東京2020大会のためのスペシャル・コンサート」と題し、さまざまな国の作曲家の作品で構成されたもの。日本からは早坂文雄、アメリカからJ.ウィリアムズ、メキシコのマルケス、そしてラヴェル「ボレロ」など、複数の作品が組み合わされたプログラムだ。プログラムBは、マーラーの交響曲第2番「復活」。復興が大事なテーマとなっている2020大会において必然とも言える選曲だ。プログラムCは、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」。

 ベルリン・フィルが日本で初めて行う野外公演「ベルリン・フィル〈1万人の野外コンサート〉」では、新宿御苑の風景式庭園で「第九」が演奏される。若いソリスト陣に加え、この「第九」のために、ドイツ、スペイン、南アフリカ、オーストラリア、中国、日本など世界中から集まったおよそ300人規模の「2020 One World Choir」と名付けられた合唱団が出演する。入場料は無料(事前応募制、新宿御苑の入園料が必要)で1万人の定員を予定している。

 ベルリン・フィルのゼネラルマネージャー、ツィーツシュマンは、オーケストラについて「ベルリン・フィルは、28ヵ国の演奏家からなり、創立以来、多様性を大事にして活動してきた。協調性を絵に描いたような組織で、まるで“小さなオリンピック村”のよう。来日公演を行うようになって60年あまり、日本のお客様との特別な関係を感じており、今回の話を聞いて参加を即決した」と語った。

アンドレア・ツィーツシュマン

 オラフ・マニンガーは今回のプログラムについて、次のように語った。
「音楽は普遍的な言語、誰もが理解できる言語です。プログラムAは、全ての曲が情熱、炎、踊り、舞、国際性、多様性を象徴しています。プログラムBは、我々にとってはおなじみのレパートリーであるマーラーの交響曲第2番『復活』。そして、プログラムCのベートーヴェン『第九』は、民族をつなげる強いメッセージ性をもった曲で、人々を結びつけるこの曲が選ばれたのは当然だと思います。
 指揮のドゥダメルとは、数々のコンサートを演奏してきた友人です。ベルリン・フィルでは若い指揮者ですが、我々にとってはなじみの指揮者です。人と人をつなげる活動も行い続けている彼とともにコンサートに参加できることを嬉しく思います。
 特に楽しみにしているのは、1万人以上を前に演奏するオープンコンサートです。我々にとって、常に大事にしてきた音楽を大衆化していきたいという趣旨にも合っており、プロ・アマ問わず、誰でも舞台に立って音楽を奏でることができる、素晴らしいイベントになると期待しています。日本の東京オペラシンガーズを含む合唱団『2020 One World Choir』とともに、作品をお届けできることを楽しみにしています」

オラフ・マニンガー

【公演概要】
プログラムA:2020.6/24(水)19:00
プログラムB:6/25(木)19:00
プログラムC:6/26(金)19:00
東京文化会館

2020.5/10(⽇)一般発売
 

ベルリン・フィル 〈1万人の野外コンサート〉 プログラムC
2020.6/27(土)14:00 新宿御苑 風景式庭園
 
※無料(事前応募制、ただし新宿御苑への⼊園料が必要)
※荒天の場合は28日(日)14:00に順延
※応募⽅法は2020年3⽉上旬に特設サイト等で発表

●曲目
《プログラムA》 東京2020大会のためのスペシャル・コンサート

ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」op.43 序曲
早坂文雄:映画音楽「羅生門」より
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」より
J.ウィリアムズ:サモン・ザ・ヒーロー
ショスタコーヴィチ:バレエ音楽「黄金時代」op.22
マルケス:ダンソン 第8番
ラヴェル:ボレロ /他
《プログラムB》 マーラー:交響曲 第2番 ハ短調「復活」
《プログラムC》 ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」
 
●出演
指揮:グスターボ・ドゥダメル
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

《プログラムB》
アネット・フリッチュ(ソプラノ)
アリサ・コロソヴァ (メゾソプラノ)
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:マティアス・ブラウアー

《プログラムC》(6/26)
スラヴカ・ザミクナイコーヴァ(ソプラノ)
ジョジ・サントス(メゾソプラノ)
シャアホウ・ジィンシー(テノール)
ダション・バートン(バスバリトン)
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:マティアス・ブラウアー

《プログラムC》ベルリン・フィル〈1万人の野外コンサート〉
スラヴカ・ザミクナイコーヴァ(ソプラノ)
ジョジ・サントス(メゾソプラノ)
シャアホウ・ジィンシー(テノール)
ダション・バートン(バスバリトン)
合唱:2020 One World Choir(約300人)
合唱指揮:サイモン・ハルシー Simon Halsey


東京・春・音楽祭2020
https://www.tokyo-harusai.com/

「東京2020 NIPPONフェスティバル 共催プログラム
「東京・春・音楽祭特別公演 ベルリン・フィル in Tokyo 2020」特設サイト
https://www.tokyo-harusai.com/bpo2020/