マーラー、ドビュッシー、ワーグナーとヴェルディ、と続いてきたマラソン・コンサートが今年取り上げるのが、生誕150周年を迎えた作曲家R.シュトラウス。
明日23日は、東京文化会館を会場に朝から晩までR.シュトラウスの作品が響き渡る。
なかでも注目されるのが、第Ⅱ部で演奏されるメロドラマ《イノック・アーデン》op.38(朗読:松平定知、ピアノ:清水和音)。メロドラマは19世紀に流行した伴奏による語りを伴った朗読劇で、シューベルト、シューマン、リスト、ブラームスらも名作を遺したジャンルながら、現在ではほとんど演奏される機会がないが、交響詩に名作を数多く残すなど、音楽によるドラマの描き方に秀でたR.シュトラウスの作品なだけに聞き逃せない。
また、ミュンヘン国際コンクールで第3位入賞後もヨーロッパで研鑽を重ね、2012年に帰国、満を持して本格的な活動に入ったウェールズ弦楽四重奏団のほか、横山恵子、安井陽子、加納悦子ら東京二期会の誇る歌手陣、それに、2010年のロン=ティボー国際音楽コンクール、2012年のエリザベート国際コンクールでそれぞれ第2位を受賞するなど成長著しいヴァイオリニスト成田達輝らの共演も楽しみだ。
なお、マラソン・コンサートの一部は、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)よりライブ配信される。最新技術を用いたライブ配信は、テレビや様々な端末で視聴可能。
第2、第3、第4部終演後には、広瀬大介によるロビートークも開催!
ツイッターでR.シュトラウスについての質問を募集し、広瀬が答えるというから、会場に足を運べないという方もライブ中継とツイッター(ハッシュタグ #harusai_rs)で参加してみてはいかがだろうか。
■東京春祭マラソン・コンサート vol.4
リヒャルト・シュトラウスの生涯
〜生誕150年に寄せて
■日時・会場
3.23 [日][各回約60分]
Ⅰ:11:00 誕生ー激動の人生の幕開け
Ⅱ:13:00 イノック・アーデン
Ⅲ:15:00 時代の寵児となった、若き天才音楽家
Ⅳ:17:00 オペラ作曲家として
Ⅴ:19:00 辞世のうたー去りゆく古き良きヨーロッパ
東京文化会館 小ホール
【料金】1日券(5公演通し券) ¥7,500 各回券 ¥2,000
【当日券】1日券(5公演通し券)¥7,500、各回券 ¥2,000を10:15より
東京文化会館 小ホール当日券窓口にて販売。
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_1839.html
■IIJの最新ストリーミングによるライブ中継
【配信日時】3月23日(日)14:50〜20:10
【プログラム】
Ⅲ:15:00 時代の寵児となった、若き天才音楽家
〈休憩中〉広瀬大介氏(音楽学・音楽評論)によるロビートーク(その2)
Ⅳ:17:00 オペラ作曲家として
〈休憩中〉広瀬大介氏(音楽学・音楽評論)によるロビートーク(その3)
Ⅴ:19:00 辞世のうたー去りゆく古き良きヨーロッパ
【特設中継サイト】
http://www.harusailive.jp
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●ワーグナー vs R.シュトラウス(文・飯尾洋一(音楽ジャーナリスト))
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「三つ子の魂百まで」甘美な美しさをたたえたリヒャルト・シュトラウスの音楽(文・小味渕彦之(音楽学、音楽評論))
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● 東京春祭マラソン・コンサート、IIJの最新ストリーミングによるライブ中継が決定
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