7年ぶりとなる東京春祭での工藤のリサイタルは、「東博でバッハ」シリーズでの無伴奏プログラム。柱となるJ.S.バッハ無伴奏チェロ組曲からは第1番・第2番・第5番を。短調の2曲を含む重量級の名品3曲だけでも聴きごたえ十分だが、その間に黛敏郎「文楽」とサロネン「YTA Ⅲ」が取り上げられるのは見逃せない。現代チェロ作品の名作となっている「文楽」はもちろん、作曲者の信頼厚い工藤による「YTA Ⅲ」はかなり貴重な実演となる。いずれもチェロ表現の限界を要求する超絶技巧ながら、その世界観は対照的。世界最先端の環境でたしかな活躍を重ねる工藤の演奏で、濃密かつ刺激的な公演となる。
■ミュージアム・コンサート
東博でバッハ vol.38 工藤すみれ(チェロ)
2018.03/22(木)19:00
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール
●出演
チェロ:工藤すみれ
●曲目
J.S.バッハ:
無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008
黛 敏郎:文楽
エサ=ペッカ・サロネン:YTA Ⅲ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011
●チケット(税込)
全席自由 ¥3,600