上野の街歩き2017〜アート編その2(2017.3/31)

 3月16日に開幕した東京・春・音楽祭2017。WEBぶらあぼANNEX東京・春・音楽祭特設サイトでは、毎年好評をいただいている「上野の街歩き」をさらにバージョンアップ! 今年は、上野と東京春祭をいっぺんに楽しめるモデルコースをご提案。
 第5弾は、3月31日(金)。ミュージアム・コンサートと美術館の企画展を回って東京春祭(上野)を楽しむコース、題して「アート編 Part2」!
 ふだん、なかなか美術館には行かない・・・という方はこの機会にぜひ!アートと音楽を一緒に楽しんでみては?


※時間はおおよその目安です。またコンサート開始・終演時間は変更となる場合もありますのでご了承ください。

【上野の街歩き モデルコース:アート編 Part2 3/31(火)】

■14:00〜15:00 東京都美術館で太田光子(リコーダー)を聴く

 この日はまず、東京都美術館で開催されている『ティツィアーノとヴェネツィア派展』に関連するミュージアムコンサートから、8本のルネサンス・リコーダーによるアンサンブルを聴く。
 世界で活躍する名リコーダー奏者である太田光子を中心に、我が国の若きリコーダー奏者が集結、ヴェネツィアで活躍したリコーダー奏者であるシルヴェストロ・ガナッシに由来する「ルネサンス・リコーダーセット」により、ルネサンス期の作曲家たちの小曲が、素朴にして絢爛なハーモニーで再現される。
 音楽に耳を傾けると、往時の水の都・ヴェネツィアの光景が鮮明に浮かび上がるだろう。

左:太田光子 右上段左より:村田佳生、水内謙一、浅井愛 
右下段左より:辺保陽一、高橋明日香、菅沼起一、大塚照道

ミュージアム・コンサート
「ティツィアーノとヴェネツィア派展」記念コンサート vol.3
太田光子(リコーダー)

2017.3/31(金)14:00 東京都美術館 講堂

●出演
リコーダー:太田光子、村田佳生、水内謙一、浅井 愛、辺保陽一、高橋明日香、菅沼起一、大塚照道
●曲目
A.パドヴァーノ:バッタリアによる、8声のアリア
A.ヴィラールト:愛よ、いつ生まれたのだ?
G.グアーミ:8声のカンツォン 「ラ・ルッケズィーナ」
A.ヴィラールト:3声のリチェルカーレ
C.グッサゴ:ソナタ第14番「ラ・ファッカ」
C.ポルタ:ジロメッタ
L.ヴィアダーナ:シンフォニア「ラ・マントヴァーナ」
A.ヴィラールト/G.バッサーノ:「泉にて」によるディミニューション
A.ガブリエリ:天国で摘みたるか、2輪の初々しい薔薇
J.パパ/A.ガブリエリ:「元気溌剌」によるディミニューション
L.ヴィアダーナ:シンフォニア「ラ・ロマーナ」
G.ガブリエリ:第7旋法による8声のカンツォン
●料金
¥2,100(全席自由)


■15:30〜16:30 東京都美術館で「ティツィアーノとヴェネツィア派展」

 
 コンサートを楽しんだ後は、いよいよ「ティツィアーノとヴェネツィア派展」へ。
 水の都ヴェネツィアは15世紀から16世紀にかけて海洋交易により飛躍的に反映するなかで、フィレンツェ、ローマと並ぶルネサンス美術の中心地として発展し黄金期を迎える。本展は、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ・サンティに並ぶヴェネツィア・ルネサンスを代表する巨匠の一人で、色鮮やかな色使いと感覚的な画風を特徴とする「ヴェネツィア派」を牽引してきた、ティチィアーノ・ヴェチェッリオ(1488/90〜1576)を中心に、黄金期を築いた多様な芸術家たちの絵画をとおして、ヴェネツィア・ルネサンス美術の特徴とその魅力を紹介する。

日伊国交樹立150周年記念
『ティツィアーノとヴェネツィア派展』

2017年1月21日(土)〜4月2日(日)東京都美術館 企画展示室

(休室日:月曜日、3月21日(火)※ただし、3月20日(月・祝)、27日(月)は開室)
開室時間 9:30〜17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室金曜日は9:30〜20:00(入室は閉室の30分前まで)
一般 1,600円/大学生・専門学校生 1,300円/高校生 800円/65歳以上 1000円 ※中学生以下は無料
特設WEBサイト http://titian2017.jp
問:03-5777-8600(ハローダイヤル)


■17:00〜18:00 カフェ&ギャラリー モアノで休憩

 東京都美術館から東京芸大を横目に少しお散歩。清水坂の辺りは古く趣のある建物が多い。
 築50年以上になる古民家をリノヴェーションした「カフェ&ギャラリー モアノ」には、東京にいることを忘れてしまうほど静かで穏やかな時間が流れる。薄水色のドアを開けて中に入ると、木漏れ日の差す中庭で、ゴールデン・レトリバーの店主イルちゃんがご機嫌で迎えてくれる。
 中庭に臨むカフェスペースではオペラが流れ、その隣と地下にあるギャラリースペースは若いアーティストたちのために開放されている。音楽とアートの身近さと、店のコンセプトでもある「フランスのおばあちゃんの家」の居心地の良さとを、ぎゅっと凝縮した空間だ。
 

カフェ&ギャラリー モアノ
〒110-0008 台東区池之端4-16-31
TEL 03-5834-7903
営業時間:水~日 11:00~19:00(18:00LO)
定休日:月、火(祝日以外)
席数:10席+4席(テラス席)
HP http://www.moineau.jp


■19:00〜21:00 東京文化会館でシューベルトの室内楽Iを

 この日の締めくくりは、シューベルトが友人たちと集う場で自作を演奏していたという「シューベルティアーデ」の雰囲気を垣間見られる演奏会の第一夜。現在の代表的な俊英たちが集い、今年生誕220年のシューベルト円熟期の楽しい名作「ます」と、晩年の味わい深い名品であるピアノ三重奏曲第2番が演奏される。
 ロン=ティボー国際コンクール第2位、エリザベート国際コンクール第2位を獲得、めざましい活躍をみせるヴァイオリンの成田達輝。NHK交響楽団首席奏者にして代表的なヴィオラの名手である佐々木亮。ミュンヘン国際音楽コンクール第2位などの受賞歴に加えてジャン=ギアン・ケラスの信頼も厚い若手チェリストの名手・横坂源。群馬交響楽団首席コントラバス奏者を長く務め、バンドネオン奏者の小松亮太率いるタンゴユニットに参加など幅広く活動する山崎実。そして、第11回シューベルト国際コンクールで第1位受賞、2014年よりシューベルトのピアノ関連器楽曲全曲演奏プロジェクト「佐藤卓史シューベルトツィクルス」を展開中のピアニスト佐藤卓史。この作曲家にこだわり続ける佐藤をはじめとした、若き奏者たちの親密な交歓で「シューベルティアーデ」を味わいたい。

シューベルトの室内楽 I
〜ピアノ五重奏曲 《ます》、ピアノ三重奏曲

2017.3.31[金]19:00 東京文化会館 小ホール

●出演
ヴァイオリン:成田達輝
ヴィオラ:佐々木 亮
チェロ:横坂 源
コントラバス:山崎 実
ピアノ:佐藤卓史
●曲目
シューベルト:
 ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 D.929
 ピアノ五重奏曲 イ長調 D.667 《ます》
●料金
S席 ¥5,200 A席 ¥4,100 U-25※ ¥1,500
※U-25チケットは公式サイトのみでの取扱い