①ぽん多 本家
とんかつ屋が日本で一番多く存在すると言われる上野・御徒町。中でも最も古い歴史を持つ老舗が1905年創業の「ぽん多 本家」だ。名物の「カツレツ」は、宮内庁の西洋料理人だった創業者が、ウィーン風の子牛カツレツをヒントに得て、豚肉を天ぷらの要領で揚げたもの。肉の状態によって産地を随時変えるという厳選の分厚いロース肉を使用しているが、油の通りを均一にするため、脂の部分はすべてカット。それを低温でじっくりと揚げるため、肉の旨味と衣の香ばしさの絶妙なマリアージュを堪能できる。「家はとんかつ屋だと思われているかもしれませんが、あくまでも洋食屋なんです」とは、現在の店主で4代目の島田良彦さんの弁。なるほどメニューを見ると、牛タンシチュー、ビーフシチュー、車海老や穴子など魚の各種フライもあり、どれも実に美味しそうだ。また、島田さんによると、「創業当時からご飯に合う洋食を目指してきました」そうで、付け合せの味噌汁、キャベツ、ソース、塩などに至るまで、素材に吟味が重ねられているのも流石だ。
ぽん多 本家（ぽんた ほんけ）
台東区上野3-23-3
TEL 03-3831-2351
営業時間：
ランチ：火～日・祝前日・祝日 11:00～14:00
ディナー：火～土・祝前日 16:30～20:00
日・祝日 16:00～20:00
定休日：月曜日
②もつ焼 大統領
朝10時の開店から30分と経たないうちに、17席のカウンターが連日埋まってしまう。そして外のテーブル席も朝から晩まで客足が途切れることがない。アメ横のガード下で、戦後間もない1950年から店を構える「もつ焼 大統領」の日常風景だ。客層は年配男性の一人飲み客が中心だが、若者や女性客も少なくなく、この街独特の“空気”をのびのびと楽しめる。格安のつまみ約50種の中で、大半の客が注文するというのが「大統領特製煮込み」。入口近くの大鍋で煮込まれるこの名物は、馬のモツを使用。継ぎ足し続けた秘伝のタレで柔らかく煮込まれていて、豆腐にも味がよくしみ込んでいる。なお、歩いてすぐの所に支店があり、そちらも午前から営業中。
もつ焼 大統領（もつやき だいとうりょう）
台東区上野6-10-14
TEL 03-3832-5622
営業時間
月～土：10：00～24:00
日：9:00〜24:00
定休日：無休
http://www.ameyoko.net/shop/280
③肉の大山
「もつ焼 大統領」の並びにあるレストラン「肉の大山」。黄色いテントの下にある屋台風の入口付近は、この店の立食いスペースになっている。精肉店直営なので、メンチカツやコロッケなどの揚げ物から、串焼き、煮込みなど、“肉”メニューが大変充実している。それに合わせ、ビール、サワー、ワイン、日本酒など、ドリンクも豊富。平日15～17時はドリンクの価格が半額なので、店がカップルやスーツ姿のビジネスマンでごったがえしているのも、この店の風物詩になっている。お薦めはやはり、名物のメンチカツ。「大山特製メンチ」「匠の和牛メンチ」「やみつきメンチ」の3種があり、これらは牛肉と豚肉の割合が違うという。匠の和牛メンチは牛100%。大山特製メンチとやみつきメンチはあいびき肉で、特製メンチの方が牛の割合が多い。一番人気は、値段も手頃で、1日に約500個も売り上げる「やみつきメンチ」。豪快にかぶりつくと、甘い肉汁が口中に広がる至福のひとときだ。
肉の大山（にくのおおやま）
台東区上野6-13-2 渡辺上野ビル1F
TEL 03-3831-9007
営業時間
月～土：11:00～22:30
日・祝日：11:00～21:30
休日：元旦
http://www.ohyama.com/nikunoohyama.html
④台湾小菜 新東洋
アメ横のガード下にあるディープゾーンにある、香港映画に出てきそうな“秘境”。1955年に台湾出身の初代が、「日本人が食べやすいように」というコンセプトで開店したのが、「台湾小菜 新東洋」だ。細い階段を上がった2階の店内は、意外に広い26席。台湾料理をベースに改良した料理が約100種も並ぶ。中でも最初にぜひ試して欲しいのが、名物の「ローメン」。豚肉、卵、ニンジン、ピーマン、モヤシ、キクラゲ、タケノコなどが入った餡かけの太麺（ラーメン）だ。「アメ横で働く人が美味しくお腹一杯食べられるラーメン」として開発され、提供開始時から味を一切変えていないとのこと。また、ドリンクには、台湾料理と相性のよい紹興酒が常時10種以上揃っているのも嬉しい。
台湾小菜 新東洋（たいわんしょうさい しんとうよう）
台東区上野6-10 2F
TEL 03-3831-8822
営業時間
ランチ：11:30～16:00
ディナー：17:30～23:00
休日：無休
http://www.ameyoko.net/shop/161