ミヒャエル・ゲースを招いてのブラームスの室内楽シリーズ

 近年は指揮者としても活動するヴィオラ奏者の川本嘉子を中心に、2014年から続く東京春祭の人気公演、ブラームスの室内楽シリーズ。
 今年は、NHK交響楽団首席チェロ奏者の向山佳絵子、テノールのクリストフ・プレガルディエンとの長年の共演でリート・ピアニストとして名声を確立しているミヒャエル・ゲースを招いて。

 ブラームスの室内楽作品の中でも人気の2つのチェロ・ソナタを川本のヴィオラと向山のチェロで弾き分けるのが、まずは注目される。
 そして、メインはクラリネット三重奏曲のヴィオラ版。クラリネット五重奏曲に比べると演奏される機会は少ないが、「自分は三重奏曲のほうが好きだ」とブラームス自身が述べたと言われる晩年の名作だ。
 《6つの小品》 op.118からの第2番 間奏曲 イ長調は、歌曲のような美しい旋律をもつ作品だけに、ミヒャエル・ゲースのピアノにも期待がかかる。

 充実した青年期と、挫折から希望を見出した晩年のブラームスの音楽をじっくり味わえる演奏会となりそうだ。

◆ブラームスの室内楽
〜川本嘉子、向山佳絵子、ミヒャエル・ゲース
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_3125.html
2016.4.2 [土] 14:0 上野学園 石橋メモリアルホール

■出演
ヴィオラ:川本嘉子
チェロ:向山佳絵子
ピアノ:ミヒャエル・ゲース

■曲目
ブラームス:
 チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38(ヴィオラ版)
 チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 op.99
 第2番 間奏曲 イ長調 (《6つの小品》 op.118 より)
 クラリネット三重奏曲 イ短調 op.114(ヴィオラ版)