恒例の東京春祭マラソン・コンサート、今年はロンドンの名興行師ザロモンに焦点

 東京・春・音楽祭の名物の一つとして定着した、マラソン・コンサート。第5弾では、今年で没後200年を迎えた、ロンドンの名興行師ヨハン・ペーター・ザロモン(1745〜1815)にスポットを当てる。

 第Ⅰ部「ベルリン vs. ウィーン」は、ヴァイオリニストで作曲家であったザロモンのキャリアの起点に目を向け、プロイセン王に仕えていた彼や周辺の作曲家の作品を、有田正広(フルート)らの演奏で(開演:11:00)。

有田正広

有田正広

 そして、第Ⅱ部はザロモンの尽力で、ロンドンでの成功を成し遂げた『ハイドン』。松山冴花(ヴァイオリン)らが、ピアノ三重奏曲第25番「ジプシー・ロンド」ほかを弾く(13:00)。
松山冴花 (C)武藤章

松山冴花 (C)武藤章

 第Ⅲ部は、ザロモンがその作品の紹介に力を注いだ「モーツァルト」で、佐藤卓史(ピアノ)らで交響曲第40番の四重奏版(フンメル編)ほかを披露(15:00)。
佐藤卓史

佐藤卓史

 また、第Ⅳ部は、ザロモンと親交のあった『ベートーヴェン』。松山らが「ロマンス第2番」などを取り上げる(17:00)。

 最終ステージの第Ⅴ部『ウィーン&ロンドン』では、ザロモン編曲によるハイドンの交響曲104番「ロンドン」や、フンメル編曲によるモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の室内楽版を。宇根京子(ヴァイオリン)らオーケストラ版を良く知る名手らが、どのように聴かせるのかも注目だ(19:00)。

宇根京子

宇根京子

◆東京春祭マラソン・コンサート vol.5
《古典派》〜楽都ウィーンの音楽家たち
〜音楽興行師ザロモン(没後200年)と作曲家
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン

4.5 [日] [各回約60分]11:00開演
東京文化会館 小ホール

【第Ⅰ部】 11:00開演 ベルリン vs. ウィーン 〜2つのライヴァル都市の物語〜
【第Ⅱ部】 13:00開演 フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
【第Ⅲ部】 15:00開演 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
【第Ⅳ部】 17:00開演 ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
【第Ⅴ部】 19:00開演 ウィーン&ロンドン 〜音楽マネージメントの残したもの〜

※お話・企画構成:小宮正安(ヨーロッパ文化史研究家/横浜国立大学教育人間科学部准教授)

詳細: http://www.tokyo-harusai.com/program/page_2423.html