C)Junichi Ohno
1991年シュポア国際コンクールの優勝から25年以上、我が国を代表するヴァイオリニストのひとりとして、第一線で活躍を続けている川田知子。川田のバッハといえば、今年2017年に「バッハ:無伴奏vnソナタ&パルティータ Vol.1 (マイスターミュージック)」がリリースされたばかり。この演奏が本当にすばらしく、筆者はCD冒頭、ソナタ第1番の最初の音の絶妙な処理から引き込まれ、全編にわたり「一音一音の深い解釈」と「自然な歌心」を両立した演奏に唸らされた。難曲として知られる各ソナタのフーガ楽章も、目覚ましい水準の演奏を実現。彼女の技巧とセンスがもとより優れているのは周知の通りだが、このバッハでは緻密な研究の成果として真に自然体でしなやかな演奏を実現しており、大いなる円熟と凄みを感じる。その川田の自在な「無伴奏」をまとめて4曲も体感できるとなれば、これは望外の好機。この「東博でバッハ vol.41」は、川田のファンも、バッハ愛好家も、東京春祭フリークも、期待の注目公演になる。
■ミュージアム・コンサート
東博でバッハ vol.41 川田知子(ヴァイオリン)
2018.4.11(水)19:00
東京国立博物館 法隆寺宝物館エントランスホール
■出演
ヴァイオリン:川田知子
■曲目
J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005
■料金
¥3,600(全席自由)
■チケット発売:2017年12月7日(木)10:00