横浜音祭り2013 公式プログラム
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3た皆さんのその日の気分にお任せです。 音楽祭の魅力は、それが行われる場所の景観や環境に大きく左右されます。青い海、小高い山、お洒落な町。この3つがそろっている横浜のような場所は、なかなか見つけられるものではありません。例えば、美しい自然に囲まれた会場でコンサートを楽しみ、終演後の遅い時間に素敵なレストランで食事をとり、夜景の見えるバーに移動……といった流れが、さらりと実現できる音楽祭の開催地は、実は意外に少ないのです。しかし、劇場・海・山の手・繁華街が隣接している横浜では、欲張りな音楽ファンの望みをすべて満たす環境が整っています。コンサートとビフォア・アフターまでが、横浜市内で完結できるのです。 横浜の港は昔から、海外の芸術文化の入り口として機能してきました。そうした伝統を受け継ぎ国際的なコンベンションが数多く開かれている横浜で、世界中の音楽家と音楽ファンが交流する「横浜音祭り」が行われることは、日本の音楽界の活性化にも意義あるものとなるでしょう。 コンサートホールに行ったことがない人、ライヴハウスに行ったことがない人も、「祭りに行く」という感覚で、オペラ・デビューやロック・デビューを果たしてみてはいかがでしょうか。もちろん楽しみ方はそれぞれ自由ですが、逆に、クラシックならでは、ジャズならではの“しきたり”に従ってみるのも一興です。いろいろな音楽を「お試し」する場として、「横浜音祭り」を大いに活用してみてください。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。クラシック音楽の構成作家として、N響、読響、新日本フィル、東京フィルをはじめとするオーケストラのコンサートや、音楽番組「読響シンフォニックライブ」(日本テレビ)、「題名のない音楽会」(テレビ朝日)、「東急ジルベスタ—コンサート」などを担当。またNHK-FM「DJクラシック」のパーソナリティを務めるなど多方面で活躍する。著書に『Aが響く前に』、詩集『扉』、『携帯で聴けるクラシックの名旋律』ほか。東京藝術大学非常勤講師、洗足学園音楽大学客員教授。横浜音祭り2013ディレクター新井鷗子(あらい・おーこ)©Hideo MORI文:新井鷗子

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