左より:佐渡 裕 ©Takashi Iijima/ハイディ・ストーバー ©Simon Pauly/清水華澄 ©Mariko Tagashira/リッカルド・デッラ・シュッカ/グスターボ・カスティーリョ ©Fernando David左より:シャロン・シャノン ©Ishida Masataka/リアム・オ・メンリィ ©Ishida Masataka/クレア・サンズ ©Liadain Kaminska/ポール・ブレイディ/ザ・ステップクルー・トップ3 with ダン・ステイシー ©Ishida Masataka12/17(水)19:00 サントリーホール12/18(木)19:00、12/20(土)14:00 すみだトリフォニーホール(12/20完売)12/19(金)19:00 横浜みなとみらいホール12/21(日)14:00、12/22(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 新日本フィルチケットボックス03-5610-3815 https://www.njp.or.jp12/6(土)17:15 すみだトリフォニーホール問 プランクトン03-6273-9307 https://plankton.co.jp他公演11/29(土) ハーモニーホールふくい(0776-38-8282)11/30(日) 東海市芸術劇場(0562-38-7030)12/3(水) 兵庫県立芸術文化センター(0798-68-0255)12/7(日) 所沢市民文化センター ミューズ アークホール(04-2998-7777)※公演により出演者が異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。76佐渡 裕(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団 「第九」特別演奏会2025音楽監督のタクトが導く、祈りを結ぶ響きケルティック・クリスマス 2025ホームカミングなケルト音楽の祭典文:柴田克彦文:山崎隆一 佐渡裕&新日本フィルの「第九」……例年大人気の公演だが、今年はこれまで以上に期待が大きい。 それは、2022年のミュージック・アドヴァイザー就任(23年より音楽監督)から3年を経た佐渡と新日本フィルの進化が顕著だからだ。まず新日本フィルの“鳴り”が良くなり、緻密さもアップ。何より音楽のエネルギーが増大している。また佐渡のアプローチは、25年1月定期におけるマーラーの交響曲第9番の渾身の名演以来、踏み込みが深くなり、生気やパッションをより感じさせるようになった。こうした状況下ならば、佐渡が柱に掲げる“ウィーン・ライン”の極致たるベートーヴェンの「第九」がひと味違っ 音楽ファンにとって冬の風物詩ともいえるケルティック・クリスマス。ケルト音楽は、アイルランドを中心としたケルト文化圏の音楽。フィドルやフルート、バンジョー、ギターなどの楽器、人間の声、そしてダンス。演者が集まれば、場所を問わずにセッションが始まる。 皆で奏でられる音楽は生きることへの賛歌であり、平和への希望だ。彼らの音楽からはクラシック音楽の源流のひとつが、そして20世紀に世界中を席巻するポピュラー・ミュージックの萌芽も感じられる。つまり、ケルト音楽には、ジャンルを超えた音楽の根っこがあるのだ。 今年は、そんなケルト音楽の魅力を象徴するようなメンバーが集まった。 セッションの妙技とダンス音楽としてた演奏になるのは確実。ゆえに今回こそ未聴のファンも耳にしたい。 ソリスト陣は内外の著名歌手ばかり。兵庫における佐渡裕芸術監督プロデュースオペラで主要役を歌った歌手揃いである点が心強いし、栗友会合唱団は新日本フィルの声楽付大作での共演経験が豊富なだけに信頼度が高い。したがって、今回複数行われる公演のどれを選んでもいいのだが、注目すべきは12月18日のコンサートだ。4歳からのアイルランド音楽の楽しさを体現するアコーディオン奏者シャロン・シャノン、古の吟遊詩人が現代に出現したらこんな感じに違いないと思わせる孤高の歌い手リアム・オ・メンリィ、フィドルの伝統を今に伝える気鋭のシンガーソングライター、クレア・サンズに加え、すみだトリフォニーホールの公演にはスペシャル・ゲストとしてボブ・ディランにも入場可能なこの日は、上演前に「イラストとお話で綴る『第九ものがたり』」の時間が設けられ、専門用語を一切交えずに聴きどころが案内されるというから、ビギナーも安心して臨むことができる。 世相的にみて「人類はみな兄弟」と歌われる「第九」の重要度は増すばかり。曲は演奏に身を浸すだけで感動を得られる名作だし、佐渡&新日本フィルのコンビネーションの深まりを確認する意義を含めて、ぜひとも足を運びたい。影響を与えた伝説的シンガーソングライター、ポール・ブレイディも参加する。また、ダンスもケルト音楽に欠かせないアトラクションであることを証明するザ・ステップクルー・トップ3 with ダン・ステイシーの存在も見逃せない。 まさに“ホームカミング”という言葉が似合うケルト音楽の祭典を、ぜひ一度体験されたし。
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