第4回入野賞 室内楽 受賞作品コンサート世界各国の新進作曲家の秀作を一堂に集めてリッカルド・ミナーシ ©Drew Gardnerユージー・ヤオロシオ・カノ・バリーニョ ©Deni Ríos庄司紗矢香 ©Laura Stevensデミアン・ルーデル・レイツーヤオ・ヤン ©陳 宥中第1029回 定期演奏会 Cシリーズ11/29(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 都響ガイド0570-056-057 https://www.tmso.or.jp12/2(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 キーノート0422-44-1165 https://www.irinoprize.jp61リッカルド・ミナーシ(指揮) 東京都交響楽団気高きヴァイオリニストとの共演で実る独墺音楽の豊穣文:矢澤孝樹文:江藤光紀 東京都交響楽団の演奏会の紹介を独奏者から書き起こすからといって、オーケストラの役割を小さく見積もるわけでは決してないことをまずお断りしておこう。その上で、本演奏会は庄司紗矢香がキーパーソンとなっていることを記したい。庄司は都響とシマノフスキの第1番、デュティユー「夢の樹」、ペンデレツキの第2番など挑戦的な曲目で共演してきた。今回のシューマンのヴァイオリン協奏曲も、作曲者最晩年の作品で没後長く封印されていた作品だ。近年、深い憂愁やバッハからの影響などその美質が再発見され、評価が高まりつつある。庄司はこの協奏曲を昨年カリディス指揮フランクフルト放送交響楽団と共演するなど関心を深めており、強靭な集中力の名演が期待できるが、彼女は今回の演奏にあたって指揮者にリッカルド・ミナーシを熱望したという。 都響との共演は8年ぶりとなるミナー 国際作曲コンクール「入野賞」は1980年、作曲家の入野義朗(1921-1980)を記念して設立された。 入野は戦後の日本に12音技法をいち早く取り入れるなどの先進性で知られ、入野賞は現在も新進の登竜門となっている。 12月に東京オペラシティ・リサイタルホールで4年ぶりに行われる第4回室内楽受賞作品コンサートには、入野の70年代の「ピアノと打楽器のための韻」のほか、第42~48回からチョイスされた7つの秀作が並んだ。20~30代の受賞者シは、ジェノヴァのカルロ・フェニーチェ劇場の音楽監督を務めるが、日本では録音を通じアンサンブル・レゾナンツの首席客演指揮者としてもよく知られる。古典派や初期ロマン派の作品に、歴史的アプローチを意識しつつ劇的なコントラストと疾走感溢れる演奏を聴かせたちの作風は多彩で、例えば最新の受賞作、アルゼンチン出身のロシオ・カノ・バリーニョの「Khaínô」は、生身の奏者たちがエレクトロニクスと緊迫感に溢れるアンサンブルを繰り広げる。武満徹作曲賞をはじめ数々の国際コンクールに入賞を続けるジョウシェン・ジン(「Voyage」、第43回受賞作)のような俊英たちの創作が作曲界の今後の動向を映し出すことだろる。今回はシューマンのほか、1曲目にモーツァルトの「アダージョ」をやはり庄司と共演し、後半はベートーヴェンの「田園」。 典雅だが影もあるモーツァルトから深淵を覗くシューマンを経て、「田園」の大いなる解放へ。どんなドラマが展開するか楽しみだ。う。その他、中国のユージー・ヤオ、アルゼンチン出身で現在はフランスを拠点にするデミアン・ルーデル・レイ、台湾のツーヤオ・ヤンら各国の才能が一堂に会す。 多彩な編成と実験精神に富んだ作品群に挑むのはアンサンブル・ノマド。佐藤紀雄のもとに結集した精鋭たちが、各国の若き作曲家のチャレンジを鮮烈に描き出す。
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