第564回日経ミューズサロン アガタ・シムチェフスカ(ヴァイオリン) 江崎昌子(ピアノ) 羽川真介(チェロ) ピアノ・トリオが奏でる「ポーランド名曲の夕べ」©Yoshinobu Fukaya/aura.Y2左より:アガタ・シムチェフスカ/江崎昌子/羽川真介第182回 リクライニング・コンサート 宮地江奈(ソプラノ) & 三原有紀(ピアノ)11/13(木)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hall チケットセンター03-5478-8700 https://hakujuhall.jp11/19(水)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227https://art.nikkei.com58“ショパンを生んだ国”を深く識る一夜清澄な歌声に包まれる1時間取材・文:香原斗志文:飯尾洋一 ポーランドの音楽といえば、まっさきにショパンの名が思い浮かぶ。加えて、シマノフスキ、ヴィエニャフスキ、バツェヴィチ、パデレフスキなど、この国は多くの傑出した音楽家を生み出した音楽大国でもある。 第564回日経ミューズサロンでは「ポーランド名曲の夕べ」と題して、アガタ・シムチェフスカのヴァイオリン、江崎昌子のピアノ、羽川真介によるチェロで、ポーランド音楽の奥深い魅力を伝える。 同国の名ヴァイオリニスト、アガタ・シムチェフスカはヘンリク・ヴィエニャフスキ国際 聴き手をやさしく包み込む清らかな声。宮地江奈の場合、それがたしかなテクニックに支えられているから、なおさら耳に心地よい。 いつまでも聴いていたくなるその声は、日本でも時々歌った世界的ソプラノ、アンドレア・ロストに似ている。実際、彼女の師匠はロストなのだ。 「新国立劇場オペラ研修所時代、《リゴレット》を勉強していたとき、ロスト先生がジルダを歌う映像を観て、私が求める声はこれだと思ったのです。レパートリーも私と重なるロスト先生は、私の声をうまく引き出してくれると思い、マスタークラスに参加したとき、先生のもとで学びたいと伝えました。こうしてハンガリーに留学することになったのです」 その結果、ロストの清らかな声の秘訣を、根底から受け継ぐことになった。 「ロスト先生の声は力強く響きも大きいですが、声は息に乗せて、喉には絶対に負担をかけません。レッスンを受け、そのことを強く意識されているのがわかりました。だから、私もいい響きで歌えるように、喉に負担をかけないようにしています。そのために、1日1万歩を目指して歩くなど健康の維持にも力を入れていて、それが声のやわらかさにつながります」ヴァイオリン・コンクール優勝者。 江崎昌子はポーランド政府より文化勲章グロリア・アルティスを受勲したポーランド音楽のスペシャリスト。 羽川真介は藝大フィルハーモニア管弦楽団首席奏者。実力者がそろった。 ヴィエニャフスキの華麗なるポロネーズ第1番や、シマノフスキの子守歌、ショパンのピアノ三重奏曲など、隠れた秀作に出会う貴重な機会だ。 そうして作られた宮地の声。 「Hakuju Hallは響きがすごくいいので、リクライニング・コンサートで歌う曲は、声を楽しみながらリラックスしていただける、という視点で選びました」 子守唄(シューベルト)、アヴェ・マリア(カッチーニ)のほか、「自分の大切な要素である日本歌曲は、何度も歌っていてそのたびに発見がある2曲(〈小さな空〉 と〈竹とんぼに〉)を選びました。また、初めて歌うオペラ《ベイビー・ドゥのバラード》からの〈手紙の歌〉は、おそらく日本では珍しい曲ですが、皆様に知っていただきたいと思い選曲しました」。そこにロスト直伝のオペレッタも加えた。ピアノは「話すと癒し系なのにすごくアグレッシブな面があって大好き」な三原有紀に、宮地みずから頼んだという。 ところで、宮地はもちろん、オペラの世界でも活躍の場を広げている。 昨年は台湾で上演された準・メルクル指揮の《ばらの騎士》でゾフィー役にデビューし、今年10月にはやはり台湾でジルダ役を歌った。その先に、以下のような抱負がある。 「いずれは《ばらの騎士》なら元帥夫人、《フィガロの結婚》なら伯爵夫人といった少し重厚感がある役に自然に移行できたらいいなと思います。ベルカント・オペラにも取り組みたいです」 こうした経験が、リクライニング・コンサートで披露されるすべての曲の美しさと、豊かさと、味わい深さにつながっているのは、いうまでもない。Interview宮地江奈(ソプラノ)
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