©Yuji Uenoジョナサン・ノット ©平舘 平/TSO12/2(火)12:15 TOPPANホール問 TOPPANホールチケットセンター03-5840-2222 https://www.toppanhall.com57ジョナサン・ノット(指揮) 東京交響楽団《子どもと魔法》で飾るコンサートオペラの集大成ランチタイムコンサート Vol.137 特別企画 水野優也(チェロ)自身初!オール無伴奏に挑戦東京交響楽団 特別演奏会ラヴェル:歌劇《子どもと魔法》(演奏会形式/フランス語上演/日本語字幕付き)11/15(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 TOKYO SYMPHONYチケットセンター044-520-1511 https://tokyosymphony.jp他公演11/16(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール(025-224-5521)※公演により出演者が異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。文:山崎浩太郎文:鈴木淳史 砂時計の砂が減り、もうすぐ尽きる。東京交響楽団の音楽監督ジョナサン・ノットの実り多き日々は、いよいよ残り少ない。今シーズンの選曲が、これまでの東響との共演の思い出を、鏡に映して眺めるようなものになっているのも、惜別の情をかき立てる。 フランス音楽を集めた特別演奏会のメインとなる、ラヴェルの歌劇《子どもと魔法》の演奏会形式上演もその一つだ。「オーケストレーションの魔術師」ラヴェルが音で描く、生命を得て動く家具や茶碗、夜の庭に息づく虫や動物たち。そこには形あるもの、生あるものを愛おしんで慈しむ、深い愛情がある。 大がかりな舞台装置のないコンサートホールでも、生命力と色彩にみちたオーケストラの響きがドラマを感じさせ、場面を想像させることは、これまでにノットと東響が演奏した、モーツァルトやリヒャルト・シュトラウスのオペラの演奏会形式上演が証明してきた。 近年、世界の第一線で活躍する日本人ソリストが増えたが、とりわけチェロは超激戦区といっていい。1998年生まれの水野優也もそのひとりだ。 TOPPANホー ル の 企 画 公 演では、これまで3度出演。今年5月には、周防亮介とトーマス・ヘルとの共演でショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲を伸びやかに弾いていたのが印象的だった。その水野がこのホールのランチタイムコンサートに登場。 彼にとって「人生初のオール無伴奏」となるリサイタルで、3曲を取り上げる。 名チェリストとしても知られたカサドによる、無伴奏チェロ組曲。さすがチェロの歌わせ方を熟知した作曲家ならではの作品だ。 若きチェリストたちは、留学先にハンガリーを選ぶことが増えてきた。水野もハンガリー・リスト・フェレンツ音楽大学にてミクローシュ・ペレーニに師事した経験をもつ。 その成果を生かすべ今回は、その完結編である。主役の子どもを歌う小泉詠子はじめ、日本の歌手たちの熱演にも期待したい。 同時にこの《子どもと魔法》は、ノットが初めて東響を指揮した2011年の演奏会で取りあげた、同じ作曲家の「ダフニスとクロエ」に照応するものともなっている。今回はそのときに演奏されたドビュッシーの「シレーヌ」の再演に加え、デュリュフレの「3つの舞曲」が新たなサイドく、ハンガリーの作曲家の2作品を演奏する。 ロージャ(ミクロス・ローザ)は、ハンガリー生まれで渡米後に映画音楽の大家となった。ハリウッドでの活躍の合間に書かれた「トッカータ・カプリチオーザ」は、その後に演奏するコダーイのソナタへのオマージュとしての側面ももつ。 そして、チェリストにとってすでに古典となったコダーイの無伴奏チェロ・ソナタ。高度な技巧によってチェロという楽器を響きの面で拡大させ、民 族 的な情 感を湛えた作 品だ。 水野の安定したテクニックから生まれる幅広い表現に期待したい。ディッシュとなる。 フランス音楽のエスプリを堪能する、心地よい午後がやってくる。
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