藤倉 大 ©Alf Solbakkenファビオ・ルイージ ©NHKSO左より:三澤響果、菊野凜太郎、パク・イェウン、山本一輝 ©Abby Mahler第2051回 定期公演 Aプログラム 11/29(土)18:00、11/30(日)14:00 NHKホール第2052回 定期公演 Bプログラム 12/4(木)、12/5(金)各日19:00 サントリーホール第2053回 定期公演 Cプログラム 12/12(金)19:00、12/13(土)14:00 NHKホール問 N響ガイド0570-02-9502 https://www.nhkso.or.jp12/3(水)19:00 王子ホール問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990 https://www.ojihall.jp54文:青澤隆明ファビオ・ルイージ(指揮) NHK交響楽団藤倉大の新作、ショパンコンクール優勝者登場と話題満載の12月定期 文:飯尾洋一クァルテット・インテグラ Vol.2 〜シューベルトとウェーベルン II〜拠点を欧州に移し、さらなる高みを目指す若き四重奏団 N響の12月定期に登場するのは首席指揮者のファビオ・ルイージ。 趣向を凝らしたA、B、Cの3つのプログラムを指揮する。 Aプロはショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番とツェムリンスキーの交響詩「人魚姫」という興味深い組合せ。ショスタコーヴィチ渾身の大作で現代最高峰のヴァイオリニスト、レオニダス・カヴァコスがソロを担う。名演は必至だろう。ツェムリンスキー作品は後期ロマン派の書法による死と救済の交響詩。 濃密で豊麗なオーケストレーションを堪能したい。 BプロではN響委嘱作品である藤倉大の「管弦楽のためのオーシャン・ブレイカー~ピエール・ブーレーズの思い出に~」が世界初演される。さらに新鋭トム・ボローのピアノ・ソロによるフランクの交響的変奏曲、 近藤岳のオルガンによるサン=サーンスの交響曲第3番「オルガンつき」が演奏される多彩なプログ 人は変わっていくし、人間同志の関係性も変わっていく。変化というものを養分としながら、変わらないのは自らの探求と対話を突き詰める意志である。クァルテット・インテグラの4人の場合、それはアンサンブルと作品世界をいかに精緻に結実させていくか、ということになるだろう。 結成から10年目の秋、クァルテット・インテグラはレジデンス・アーティストも務めてきたロサンジェルスのコルバーン・スクールから、ハノーファー音楽演劇大学に学びの場を移し、フランスにある室内楽センター ProQuartetのアーティスト・イン・レジデンスも務める。 昨春に年下の学友パク・イェウンを新たなチェリストに迎え、インテグラ(統合)の新たなかたちを模索している時節でもある。 いよいよヨーロッパの季節が大きく彼らに訪れることになるのだろうが、ちょうどそうした折、王子ホールのシリーズラム。 ルイージとN響ならではの壮麗かつ緻密なサウンドが聴きものとなる。 Cプロには第19回ショパン国際ピアノコンクール優勝者が招かれ、ショパンのピアノ協奏曲のいずれかを演奏する。 旬のピアニストをいち早く聴けるで昨秋に続き、シューベルトとウェーベルンを組み合わせて聴かせる。 バルトークをはじめ近現代作に殊に卓抜な統制を利かせる彼らが、シューベルト晩年の最後の四重奏曲ト長調 D887をしめくくりに据え、その12年半ほど前に作曲された変ホ長調 D87との間に、世紀をまたいでウェーベルンの好機だ。 ニルセンの交響曲第4番「不滅」は、ルイージが近年力を入れるレパートリー。デンマーク国立交響楽団首席指揮者就任を機にニルセンへの造詣を深めたという。フィナーレでの爆発的なエネルギーの開放が楽しみだ。無調時代の切り詰められた傑作「6つのバガテル」op.9をはさむ。おそらく彼らは、ウェーベルンの未来から鋭敏に照射するように、シューベルトの時期の異なる両作をみつめ直すのではないか。 新しい冒険へと乗り出した若者たちの、開かれた変化を見越した挑戦を、いよいよ楽しみにしたい。
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