eぶらあぼ 2025.11月号
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(あんなに頑張ってきたのに……) 名門・光ヶ丘女子高校吹奏楽部でトランペットを担当する伊藤咲(さき)の目から涙がこぼれた。 2024年の全日本吹奏楽コンクール(全国大会)・高等学校の部。表彰式で発表された光ヶ丘女子の評価は銅賞。全国大会の賞は金・銀・銅しかない。(うまく演奏できたと思ったのにな……) まわりにいる先輩たちも泣いていた。その姿に、かつての姉の姿がだぶって見えた。 咲にとって高2で迎えた初めての全国大会は涙とともに幕を閉じたのだった。 あれから1年が経ち、光ヶ丘女子は10月19日に通算23回目となる全日本吹奏楽コンクール出場を控えている。 咲は高3になり、今年125名と大所帯になった吹奏楽部の部長に選ばれた。強豪中学として知られる日進市立日進西中学校の出身だが、中学時代は何の役職にも就いていなかった。48♪♪♪(まさか自分が選ばれるなんて……) 咲の驚きは大きかった。実は、咲の6つ上の姉はかつて光ヶ丘女子で部長を務めていた。咲はネガティブで自信がないタイプだが、姉はいつも笑顔で明るい性格だった。その姉が、高3の全日本吹奏楽コンクールで銅賞という結果を突きつけられ、泣いている姿が咲の目に焼きついていた。 高3になるとき、咲の胸にはリベンジを誓う3つの悔しさがあった。昨年の全国大会の経験、姉の涙、そして、中3で全国出場を逃したこと……。 もちろん、結果だけがすべてではない。賞の色と音楽の素晴らしさや感動は必ずしも直結しない。だVol.39 光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部(愛知県)名門女子校、全国の舞台で「黒い金」を輝かせる!取材・文・写真:オザワ部長(吹奏楽作家)左より:牟田有梨花さん、伊藤咲さん

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