eぶらあぼ 2024.6月号
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6/12(水)19:00 大田区民ホール・アプリコ問 大田区民ホール・アプリコ03-5744-1600 https://www.ota-bunka.or.jp6/15(土)17:00 神奈川県民ホール問 神奈川フィル・チケットサービス045-226-5107 https://www.kanaphil.or.jp60吉田早奈恵 ©Kyota Miyazonoわえるはず。もちろん、アリアも用意されている。ヴェルディ《リゴレット》の〈慕わしい人の名は〉では、美しくみずみずしいレガートを、ドリーブ《ラクメ》の〈若いインドの娘はどこへ行く〉では、高音域での鮮やかなコロラトゥーラを堪能できる。東京藝大大学院修森下真樹 ©RYO OHWADA木邨清華 ©Ayane Shindo了後、パリやベルリンで研鑽を積んだ木邨清華のピアノが、吉田の歌をさらに引き立ててくれるはずだ。 平日午後7時からの休憩なしの60分。仕事帰りの夕食前に手軽に楽しめる時間に、近未来のスターを一足先に聴けるのがうれしい。現田茂夫 ©K.Miuraコラボレーション、まさに興味津々の6月の「第九」である。文:山田治生文:香原斗志神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第21回 踊れ! 第九■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 今年は、ベートーヴェンの交響曲第9番フェッショナルな合唱「合唱付き」が1824年5月7日にウィー団。昨年末の「第九」ンのケルントナートーア劇場で初演でも、少数精鋭によされてから、ちょうど200年にあたる。る精度の高い迫力あそれを記念し、神奈川フィルハーモる合唱を聴かせてくニー管弦楽団が、6月15日に県民名曲れた。そして独唱もシリーズ第21回として、コンテンポラ合唱団のメンバーがリーダンサー森下真樹らと「踊れ! 第担う。 「第九」初演200周九」を上演する。年を踊って祝うこの これまでにもベートーヴェンの交響曲第5番「運命」などを踊ってきた森下公演は、ベートーヴェンへの21世紀からのではあるが、今回の「第九」では5人のダンサー(森下スタンド ルードヴィヒ5:オマージュというこ伊藤奨、黒田勇、中村駿、中村理、山口とができるであろう。将太朗)とともに全楽章で群舞を披露身体表現と結びついする。そしてそれだけでなく、合唱団た歓喜は、聴き慣れや独唱者も踊るという。たこの作品に対して、 指揮は、神奈川フィル名誉指揮者の新たな発見や気づきをもたらすに違い現田茂夫。息の合った演奏を聴かせない。現田&神奈川フィルと森下とのてくれるに違いない。合唱の神奈川ハーモニック・クワイアは、神奈川フィルとの共演のために結成されたプロアプリコうたのナイトコンサート2024 Vol.4 吉田早奈恵(ソプラノ)■■■■■■■■■■■■■■■■■ 近未来の音楽界を引っ張るすぐれた若手声楽家による、みずみずしい歌曲やオペラ・アリアを味わえる「アプリコうたのナイトコンサート」。今回は東京藝大大学院に在学中のコロラトゥーラ・ソプラノ、吉田早奈恵が登場する。 すでに第4回K声楽コンクール、第39回かながわ音楽コンクール声楽部門プロフェッショナルの部で第1位を獲得している吉田は、周囲がこぞって認める大器。透明感があって、同時にぬくもりが感じられる叙情的な声を操り、表情豊かに歌い上げる。また、ストレスなく一気に駆け上がる超高音には、聴き手の気分を晴らしてくれるような爽快感がある。これから本格的に訓練を重ねることで、どこまで伸びていくか、とても楽しみな逸材である。 ドビュッシーの〈星の夜〉や〈パントマイム〉では、透明な声が活かされるだろう。小林秀雄の〈すてきな春に〉では、持ち前の叙情性と美しい日本語が味

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