eぶらあぼ 2024.6月号
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Portrait of Il-Ryun Chung 5/25(土)19:00 東京/KIWA TENNOZ日・韓・独共同制作「イリャン・チャンの肖像」 5/31(金)19:00 神奈川県立音楽堂問 芸術文化ワークス事務局080-5075-5038 https://kuniko-kato.net50Interview加藤訓子(マリンバ)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■の要素をマリンバだけで表 意欲的な活動を続ける打楽器奏者・現します。そしてマリンバ、加藤訓子が、5月にイリャン・チャンの作品による2公演を行う。共に「韓国伝統デグン、チャングによる大曲『MOTION』(日本初演)。異と現代音楽の邂逅」を掲げた興味津々なるリズムの3拍子が絡み合の内容だ。 「イリャンはドイツで生まれ育った、韓うグルーヴ感のある音楽で、国にルーツを持つ作曲家。2009年の複雑なリズムが様々な景色を『サントリーホール サマーフェスティもたらします」 2つ目は神奈川県立音楽堂バル』で、テーマ作曲家ウンスク・チンでの公演。韓国の2人のほの委嘱による『BENU』を演奏し、強烈か、加藤のもとに集う若い打なインパクトとエネルギーに惹かれました。すると2014年に本人から誘わ楽器奏者たちとアンサンブれて、同国伝統の横笛デグン、打楽器ル・ノマドが出演し、「BINARY GROOVE」「MOTION」に加チャングとの『MOTION』による韓国えて、「GLUT」(日本初演)、ツアーに参加したのです。以後日本「BENU」(前述の2009年演に紹介する使命感を抱いていました。奏曲)というアンサンブル作彼の音楽の基盤は韓国伝統のリズム。根底にある騎馬隊風の速い3拍子のリ品が、大きな見どころとなる。 「『GLUT』は、政治的理由で非業の死ズムのサイクルやポリリズムがとてもを遂げたイリャンの父に捧げられた、エネルギッシュです」6人の打楽器奏者とアンサンブルのた 今回1つ目は脈動を間近で感じられるライブハウス「KIWA TENNOZ」での公めの作品、『BENU』は『不死鳥』を意味する大規模な作品です。共に彼の演。加藤のほか、デグン、チャングの各メジャーピースで、繋げての演奏が望奏者とギターの佐藤紀雄が出演する。 「1曲目の『BLACK BIRD』(日本初演)まれていました。これらは、リズムのは、大きな拍のあるゆったりしたテンポパルスだけでなく音色がポイントで、の中で、デグンの音に装飾や琴のようじっくりと進みながら速くなっていくなギターが絡みます。次の『BINARY GROOVE』(世界初演)は、マリンバ・ソロのための委嘱作。先ほど話した速い3拍子を主軸にした曲で、色々な楽器福間洸太朗プロデュース 第32回レア・ピアノミュージック 小川典子 ピアノリサイタル■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 「レア・ピアノミュージック」は、知られざる作品を名ピアニストの演奏で楽しむことができる、福間洸太朗プロデュースによる人気シリーズである。第32回の出演者は、イギリスと日本を拠点にグローバルな活躍を続ける小川典子。このシリーズでは普段MCに徹している福間も、今回は2台ピアノ作品で小川とともに初めてピアノを演奏する。 プログラムは、イギリス・バロックを代表する作曲家であるパーセルの作品をはじめ、ブリテンにティペット、さらに小川が最近愛奏しているフィブスが並ぶ。2台ピアノ作品も繊細なハーモニーが魅力のものから、現代イギリス音楽の魂ともいえるハードロックの要素をもつものまで、実に多彩な内容だ。なお、今回もコンサートの前にYouTube上でプレトークが行われるので、そちらもご覧いただきたい。事前に作曲家や作品について知り、演奏者の想いを聴くことで、楽曲にじっくりと向き合い、深く鑑賞できるだろう。6/18(火)19:00 東京文化会館(小)問 ジョイフル・アーツ03-6869-6872 https://joyfularts.co.jp形。『GLUT』で燃えていき、『BENU』で不死鳥が羽ばたきながら天に昇るといったイメージでしょうか。ただ、いずれも打楽器のコンチェルトとして聴いてもらいたいと思います」 4月のCDリリースや6月からの公演など看板であるライヒの演奏にも力が入る加藤だが、まずは「未知の人が聴いても楽しめる」と語る両公演で、他にない音楽を体験したい。左:小川典子 ©Patrick Allen operaomnia.co.uk右:福間洸太朗 ©Koutarou Washizaki取材・文:柴田克彦文:長井進之介©Michiyuki Ohba

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