eぶらあぼ 2024.6月号
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第2014回 定期公演 Cプログラム6/14(金)19:30、6/15(土)14:00 NHKホール問 N響ガイド0570-02-9502 https://www.nhkso.or.jp9/15(日)14:00 東京文化会館(小)9/22(日・祝)14:00 たましんRISURUホール問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 https://www.t-bunka.jp 2004年にスタートした東京文化会館オペラBOXは、キャストに東京音楽コンクール入賞者を起用し、オペラの名作を小ホールで気軽に楽しもうという好企画。今回上演されるプッチーニ《トスカ》は、美しいメロディとわかりやすいストーリーで、数あるイタリア・オペラの中でもオペラ初心者が最初に鑑賞するのにもっとも適した作品のひとつ。2018年に初演され好評を博した粟國淳演出のプロダクションの再演となる。今回は東京文化会館のほか、たましんRISURUホールでも公演を行う。タイトルロールに第13回東京44園田隆一郎 ©Fabio Parenzan東京文化会館オペラBOX & チームアップ! オペラ 《トスカ》■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■文:室田尚子沖澤のどか ©Felix Broede放った得意のレパートリーだけに、イベールの「寄港地」では地中海沿岸の風物が色彩感豊かに表現され、ドビュッシーの「夜想曲」では絵画的な情景が精妙かつ動的に描かれるに違いない。またラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」では、2010年エリザベート王妃国際音楽コンクールの覇者デニス・迫田美帆粟國 淳音楽コンクール第2位で、今まさに旬のソプラノである迫田美帆を起用。相手役のカヴァラドッシは、第10回第2位で、今や日本のオペラ界におけるトップ・テノールの地位を確固たるものとしている宮里直樹が演じる。指揮は、メロディアスな音楽作りに定評のある園田隆一郎。また、朝岡聡によるプレトークも作品理解の助けとなっている。 恒例の関連ワークショップも両公演デニス・コジュヒン ©Marco Borggreveコジュヒンが共演。17年録音の同曲のCDで、強さと煌めきを兼備した名奏を披露している彼ならば、ジャズの要素を交えた本作の特質を明確に伝えてくれるだろう。 これは、音色とリズムに繊細な感性を示す沖澤の個性が、名手揃いの楽団で存分に発揮される、注目のコンサートだ。宮里直樹文:柴田克彦井出壮志朗ともに開催。小学生から高校生までが合唱と演技を学ぶ「オペラの登場人物になる」、小学生が実際に舞台で使う道具を製作する「オペラに登場するものづくり」、舞台デザイナーや舞台制作者を目指す若者が第一線で活躍する講師から指導を受ける「舞台を学ぶ」などが用意される。毎年たくさんの参加者が意欲的な活動を行うが、今年はどんな成果が出てくるのかも楽しみだ。沖澤のどか(指揮) NHK交響楽団■■■■■■■■■■■■■■■ この6月、期待の俊英指揮者の筆頭格・沖澤のどかがN響定期に初登場を果たす。沖澤は、2018年東京国際音楽コンクール〈指揮〉で女性初の第1位を獲得し、19年のブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。20年からキリル・ペトレンコの助手となり、22年には代役でベルリン・フィルを指揮している。そして23年京響の常任指揮者、24年セイジ・オザワ松本フェスティバルの首席客演指揮者に就任。N響とも、20年8月の「夏のフレッシュコンサート」、22年7月の「オーチャード定期」他で共演し、鮮やかな演奏を展開している。 彼女の凄さは、名うての敏腕楽団にもナチュラルに対応し、全体の構成が確かで生気に富んだ音楽を生み出す点。日本に冠たるN響との2回の共演でも、雄弁で弾んだ演奏を衒いなく聴かせている。 今回は20世紀フランス音楽に焦点を当てたプログラム。N響との前回の共演でもラヴェル等の名作で精彩を

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