eぶらあぼ 2024.3月号
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第196回 サンシティクラシック・ティータイムコンサート 小山実稚恵(ピアノ)第6回 菅原 淳アレンジ・コレクション~ TCMパーカッション・ギャラリー~3/17(日)16:00 TCMホール(東京音楽大学 中目黒・代官山キャンパス)長らく読売日本交響楽団首席ティンパニ奏者を務め、東京音楽大学ほかで後進の育成にも貢献している菅原淳。オーケストラ作品の編曲にも意欲的でこれまでに約40作を手掛ける。彼のもとに若手打楽器奏者とゲストの神谷百子(マリンバ)、辻本憲一(トランペット)、新田幹男(トロンボーン)らが結集しサン=サーンス「動物の謝肉祭」、ビゼー「カルメン組曲」ほかを披露。新編曲のレスピーギ「ローマの松」も必聴だ。翼 ~歌とギターとヴァイオリンと~1253/30(土)15:00 ヤマハホール3/23(土)14:00 埼玉/サンシティホール(小)作曲家シリーズVol.2 室内楽コンサートチャイコフスキーが聴きたい3/30(土)14:00 Hakuju Hall3/31(日)19:00 ルーテル市ヶ谷ホール文:近松博郎ギター、歌、ヴァイオリン。一見シンプルながら本格的な公演プログラムとしては珍しい組み合わせだ。すでにギター界の中心的存在でありルネサンスから現代作品まで幅広くレパートリーとしている大萩康司、ミラノ音楽院に学び古楽から日本歌曲まで手がける井上由紀、ソロとアンサンブルで経歴を重ねているヴァイオリンの鍵冨弦太郎がロドリーゴ、クライスラー、武満徹ほかの佳品を自在に渉猟する注目公演。津留崎直紀(チェロ)新境地のバッハ無伴奏 全6曲3/23(土)17:30 東京オペラシティ リサイタルホール32年にわたってリヨン国立歌劇場管弦楽団チェロ奏者を務め、帰国後も精力的な活動を続けている津留崎直紀が、バッハの名作「無伴奏チェロ組曲」全6曲に挑む。同曲第5番の演奏ではオリジナル資料で指定されている特殊な調弦法(スコルダトゥーラ)を採用し、第6番ではF. クイケン製作の5弦チェロを用いて作品本来の姿に迫る。熟練のチェリストによる古楽的アプローチがどのような実を結ぶかを聴きとどけたい。大萩康司 ©SHIMON SEKIYA井上由紀 ©ノザワトシアキ鍵冨弦太郎1958年生まれのレバノン人ピアニスト、アブデル・ラーマン・エル=バシャのリサイタル。早くから才能を見出されてパリ国立音楽院に学び、19歳でエリザベート王妃国際音楽コンクール優勝を飾ったエル=バシャは、リサイタルやベルリン・フィル等の主要オーケストラとの共演で世界的な活躍をみせてきた。バッハの「平均律」やショパンのピアノ作品全曲録音も行なっている彼の現在の境地がいかなるものか非常に興味深い。わが国を代表するピアニストの一人である小山実稚恵による充実のリサイタル。シューマン「幻想曲」やショパンのピアノ・ソナタ第3番など王道のロマン派作品に加え、国内外で数々の作曲賞を受賞している権代敦彦の「空(ソラ)のかけら/音のしずく ピアノのための」(小山による委嘱作品)が世界初演されるのも特筆される。音楽学者で評論家の岡部真一郎が案内役を務め、作品の魅力を分かりやすく解説してくれる。チャイコフスキーといえば豪華な管弦楽曲が想起されがちだが、特定の作曲家にスポットを当てるシリーズの第2弾「チャイコフスキーが聴きたい」は彼の小品を野上真梨子 味わう絶好の企画だ。©Shigeto Imuraスウェーデン国際デュオ・コンクール、ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクールでともに第1位を獲得したヴァイオリンの石原悠企と国内外のコンクールで多数の受賞歴を誇るチェロの藤原秀章、ピアノの野上真梨子による競演にも期待。アブデル・ラーマン・エル=バシャ(ピアノ)掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。石原悠企 ©Shigeto Imura藤原秀章 ©Kei Uesugi©Hideki Otsuka月の3

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