eぶらあぼ 2024.1月号
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3/2(土)18:30 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール 1/6(土)発売問 渋谷区文化総合センター大和田 ホール事務室03-3464-3252 https://www.shibu-cul.jpLive Performance SHIBUYA 森山開次「春の祭典2024」圧巻のライブ・パフォーマンス再び! 現代のダンス・シーンを牽引する森山開次が、渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで、2018年以来、再び、ストラヴィンスキーの「春の祭典」を踊る。群舞の迫力で知られるこの作品を森山はたった一人で舞い、巨大編成のオーケストラは作曲者自身の編曲による4手ピアノ版の演奏に置き換えられる。森山はダンサーとして国際的に評価される一方で、振付家、演出家としても活躍。これまでにもオペラ《ドン・ジョヴァンニ》の演出を手掛け、2024年度は全国共同制作オペラで《ラ・ボエーム》を演出する。 今回、ピアノ演奏を担うのは、實川風と三浦謙司。前回の公演にも出演した實川は、近年、弾き振りでの協奏曲に挑むなど、音楽家としてますます進化を遂げている。一方、初参加の三浦は、2019年のロン・ティボー・クレスパン国際コンクールのピアノ部門で優勝し、様々なオーケストラにソリストとしてウクライナの現代作曲家シルヴェストロフの第1番と、ウクライナ出身の大家プロコフィエフの第2番「カバルダの主題による」。独特の静謐感が横溢した前者、カフカスの民俗音楽を用いた緊密かつ親しみやすい後者ともに、実演で味わう稀少な機会となる。 スイスに亡命したヴェレシュ、現在の2/16(金)19:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 https://www.toppanhall.com招かれるなど、活躍の場を広げる。この二人の共演だけでも、聴き逃せない「春の祭典」といえるが、森山との化学反応で一層刺激的な演奏となるに違いない。公演の前半には、それぞれのソロによるピアノ演奏も予定されていて、これも楽しみである。左より:毛利文香、笹沼 樹、田原綾子 ©大窪道治森山開次 ©Shingo Shimizuイリア・グリンゴルツ ©Kaupo Kikkas戦禍でドイツに避難したシルヴェストロフ、大戦中の疎開先の音楽を用いたプロコフィエフの作品が並ぶ本プロは、世界の在り方に一石を投じ、ウィーン土着のシューベルトを含めて民族性を再考させる、示唆に富んだ内容となっている。トッパンホール以外ではまず聴けないこの公演、ぜひとも生で体験したい。實川 風 ©T.Tairadate三浦謙司 ©Harald Hoffmann 森山と實川と三浦のたった3人で上演される「春の祭典」は、巨大なこの作品を究極的に凝縮することによって、作品の持つリズムの躍動、変拍子の刺激、イマジネーションの爆発的な広がりがオリジナル以上に伝わってくるに違いない。文:柴田克彦文:山田治生71Trio Rizzle meets イリア・グリンゴルツ(ヴァイオリン) 鬼才と俊英たちが描くディープな音楽世界 「Trio Rizzle meets イリア・グリンゴルツ」。これは実にディープで刺激的な室内楽公演だ。トリオ・リズルは、桐朋学園大学の同級生、毛利文香(ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)、笹沼樹(チェロ)による弦楽三重奏団。トッパンホールゆかりの俊英が集う同グループは、3人対等の高度なアンサンブルと鮮烈かつ瑞々しい音楽を聴かせ、やや隠れた形態に新たな輝きをもたらしている。今回は、前半にトリオでシューベルトの第2番とハンガリーの20世紀作曲家ヴェレシュの作品を披露。有名作曲家による稀少な本作と、師バルトーク譲りの重層的な傑作で、弦楽三重奏ならではの魅力を教示する。 後半はグリンゴルツが加わる弦楽四重奏。彼はパガニーニの難曲をクールにこなす実力者で、別日(2/13)には無伴奏リサイタルを行うが、自ら弦楽四重奏団を主宰するだけに、当コラボにも清新な期待を抱かせる。演目は、

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