eぶらあぼ 2024.1月号
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1/26(金)19:00 文京シビックホール問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp/hall/すみだクラシックへの扉 第20回2/16(金)、2/17(土)各日14:00 すみだトリフォニーホール問 新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 https://www.njp.or.jpト短調とシューベルトの弦楽四重奏曲 ニ短調「死と乙女」という四つに組んだプログラムである。同演目は2021年に予定されていたが、コロナ禍により中止されており、実に3年来の約束の実現ということになる。しかし、その間も若い彼らの成長と活動は留まることを知らず、上野はジュネーヴ国際音楽コンクールで日本人初の優勝という快挙を成し遂げ、毛利はデビュー盤をリリースした。3年前よりもはるかに大きな驚き左より:山根一仁、田原綾子、毛利文香、上野通明 ©Hideki Shiozawaと楽しみを秘めたコンサートが期待されよう。久石 譲 ©Nick Rutter文:山田治生文:大津 聡66久石 譲(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団作曲家の視座がもたらす名曲の清新さを味わう スタジオジブリなどの映画音楽の作だろうか。音楽の歴史を変えた曲で知られ、新日本フィルハーモニーともいえる、ストラヴィンスキー交響楽団のMusic Partnerを務める久とモーツァルトの傑作が久石譲石譲が「すみだクラシックへの扉」に登によってどう捉えられ、新日本場し、ストラヴィンスキーのバレエ音楽フィルとともにどう再現される「春の祭典」を指揮する。のか、興味津々である。 「春の祭典」は、斬新な管弦楽法、大 そのほか、演奏会の冒頭では、胆な不協和音、刺激的なリズムによっ自作の「I Want to Talk to You て、クラシック音楽の世界に革命をも-for string quartet, percussion and strings-」が取り上げられる。たらしたが、ミニマル・ミュージックに2021年3月に久石&日本センチュ傾倒してきた久石は、この作品のリズムの構造に注目するという。21世紀リー交響楽団によって初演されの作曲家の視点で捉え直した「春の祭た作品。弦楽四重奏がフレーズ典」がどのようなものになるのか、大いの断片を絡めていき、それに弦に期待される。そして、この難曲での楽合奏と打楽器が加わる。ミニ彼の指揮も注目である。また、前半にマル・ミュージック的な繰り返しも演奏されるのは、モーツァルトの交響ある。新日本フィルのメンバー曲第41番「ジュピター」。久石は、古典による弦楽四重奏も楽しみ。派の作品においてピリオド奏法的なアプローチを採り入れてきたが、この古典派交響曲の最高峰というべき作品ではどのような解釈を示してくれるの夜クラシック Vol.31 エール弦楽四重奏団世界へ羽ばたく4人の気心知れたアンサンブル 文京シビックホールの改修工事による休止を経て、2023/24年シーズンに「夜クラシック」が3年ぶりに大ホールに戻ってきた。同企画は、若手からベテランまで、話題の音楽家たちがトークも交えながら、様々な形態による室内楽を繰り広げる人気のシリーズである。1月のVol.31には、新進気鋭の若手演奏家からなるエール弦楽四重奏団が登場する。ヴァイオリンの山根一仁、毛利文香、ヴィオラの田原綾子、チェロの上野通明と、主要なコンクールで優勝するなど輝かしいキャリアを有し、今やひく手あまたの音楽家4人のアンサンブルであるが、その出発は彼らの桐朋学園時代にさかのぼり、既に結成13年を数える。 音楽家のトークも挟む気さくなスタイルのコンサートでありながら、今回披露されるのは夜クラシックの共通演目であるドビュッシーの「月の光」の他、同じくドビュッシーの弦楽四重奏曲

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