eぶらあぼ 2024.1月号
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ニューイヤー・オペラ・ガラ・コンサート尾高惇忠メモリアルコンサート1/13(土)14:00 岐阜/サラマンカホール129文:近松博郎モダン・チェロとバロック・チェロの双方を弾きこなし、垣根を越えた活躍ぶりが注目される上村文乃。その演奏技術の確かさは日本音楽コンクール第2位、イタリアトレヴィーゾ国際音楽コンクール優勝といった経歴が証明している。ピアソラのタンゴや、チェロ奏者の故・倉田高(1913~45)による隠れた名作からドビュッシーのソナタまで堪能できる貴重な公演だ。ピアノは演奏と創作活動の両分野で活躍中のロー磨秀。戦後日本を代表する作曲家の一人であり、東京藝術大学教授として長く後進の指導にも尽力した故・尾高惇忠(1944~2021)。その生誕80年を記念し、彼が世に送り出した歌曲、ピアノ曲、室内楽曲等を取り上げ、改めてその足跡に焦点を当てるメモリアルコンサート。尾高に薫陶を受けた木下大輔の解説と経験豊かな演奏家たちによる実演を通じて、現代日本音楽の来し方と行く末に思いを巡らせる貴重な機会となる。埼玉会館ランチタイム・コンサート第59回上村文乃(チェロ)1/9(火)12:10 埼玉会館1/20(土)14:00 所沢市民文化センター ミューズ アークホールモーツァルト、ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニらによるオペラの聴きどころの数々を贅沢に詰め込んだガラ・コンサート。ソプラノの森谷真理、メゾソプラノの但馬由香、テ樋口達哉ノールの樋口達哉、バリトンの押川浩士ら、国内外で活躍する8人の実力派歌手が揃い、各人が得意とするアリアや重唱を存分に披露する。男声歌手によるカンツォーネも含め、濃密な歌の世界に心地よく浸れるひとときとなるはず。1/23(火)19:00 すみだトリフォニーホール(小)森谷真理 ©タクミジュン©Mina Kitano(HTJ)尾高惇忠60年以上の長きにわたりヴィヴァルディの多彩な音楽の開拓・普及を続けている東京ヴィヴァルディ合奏団による新春コンサート。声楽作品で有名なイギリスの作曲家ジョン・ラターによる「弦楽のための組曲」、そして同楽団にとってすでに自家薬籠中のレパートリーであるヴィヴァルディ「四季」を演奏。新たな息吹で作品の魅力を再発見させてくれるだろう。ゲスト奏者は東京藝術大学前学長の澤和樹。愛知県小牧市を拠点として本格的なクラシックから親しみやすい音楽まで幅広く取り上げている中部フィルハーモニー交響楽団のニューイヤーコンサート。生粋のウィーン人であるシューベルトとシュトラウス兄弟の序曲や舞曲をはじめ、軽快な音楽で華やかな新年の幕開けを祝うプログラムである。ピアノの名手・渡邊一正の弾き振りによる「ラプソディ・イン・ブルー」はとりわけ会場を熱気に包むことだろう。能の名作「天鼓(てんこ)」は古の中国を舞台とし、皇帝の命で殺された鼓の名手・天鼓を弔う音楽葬を呂水のほとりで行っているところに、天鼓の霊が現れ鼓を打ち舞うという武田宗典幻想的な物語。洋の東西の架け橋となる音楽を加藤昌則が作曲するほか、ヴァイオリンの篠崎“まろ”史紀、鼓の大倉源次郎、舞の武田宗典ら豪華出演者が顔を揃える。クラシック音楽と能を融合させた「音楽舞劇」の誕生にぜひ立ち会いたい。中部フィルハーモニー交響楽団岐阜特別演奏会 ニューイヤーコンサート東京ヴィヴァルディ合奏団2024 ニューイヤーコンサート1/21(日)14:00 第一生命ホール王子ホール × 観世宗家監修「天鼓 I love music」1/25(木)19:00 王子ホール掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。渡邊一正 ©Satoshi Mitsuta東京ヴィヴァルディ合奏団澤 和樹©Fumihito Nagai篠崎“まろ”史紀月の1

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