eぶらあぼ 2023.7月号
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第362回 定期演奏会 7/7(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 https://www.cityphil.jp60ブロードウェイ・ミュージカル ウエスト・サイド・ストーリー不朽の名作を鮮烈な新プロダクションで! 指揮者として20世紀後半のクラシック界をリードし、作曲の分野でもジャンルを超えて天才ぶりを発揮した巨匠レナード・バーンスタインの最高傑作ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』がこの夏、高崎芸術劇場のステージに3日間連続(8/1は昼夜2回)で登場。シェイクスピアの悲劇『ロミオとジュリエット』を下敷きに、アメリカの抱える人種間対立の問題を背景に描いた本作は、最初に企画を考えたのがカリスマ振付師のジェローム・ロビンスだったこともあり、歌だけでなく、ダンスそのものによってドラマが展開する画期的なスタイルが話題を呼び、1957年のブロードウェイ初演から大ヒットを記録。61年には映画化もされて、アカデミー賞をほぼ総なめに。そして2021年のスティーブン・スピルバーグ監督による2度目の映画版も大ブレイクして、再び世界的なブームを巻き起こしたのも記憶に新しい。 今回の公演で来日を果たすのは、昨年12月のドイツを皮切りに欧州で絶賛されたワールド・ツアー版。オリジナルに敬意を払いつつ、一流のクリエイター陣が演出、セット、衣裳、照明、音響を一新し、より鮮烈なパフォーマンスで届けられる新プロダクションとなっている。加えてスピルバーグ映画版からも7/31(月)18:00、8/1(火)13:00 18:00、8/2(水)13:00 高崎芸術劇場問 高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900 http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/他公演 7/5(水)~7/23(日) 東急シアターオーブ    8/5(土)、8/6(日) 大阪/オリックス劇場秋山和慶デミーで学ぶ逸材。モダンでスペイン・テイストも入ったプロコフィエフの協奏曲第2番で見事な技巧を披露してくれるに違いない。 スクリャービンはモスクワでアレンスキーらに師事した。「法悦の詩」は大管弦楽を要する神秘主義的な作品。80歳周防亮介 ©JUNiCHIRO MATSUOを超えてますます円熟味を増すマエストロ、秋山和慶の明快なタクトのもと、好調の東京シティ・フィルがスクリャービンの色彩的な交響曲を鮮やかに再現してくれるだろう。膨大なレパートリーを誇る秋山らしい凝ったロシア・プログラムが楽しみだ。インスピレーションを得ているとのことで、そちらも楽しみだ。もちろん〈マリア〉〈トゥナイト〉〈アメリカ〉といった名曲に挑む実力派キャストにも期待。極上の劇場体験をお見逃しなく!©Johan Persson文:山田治生文:東端哲也秋山和慶(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団円熟の巨匠による近代ロシアン・プログラム 秋山和慶が東京シティ・フィルの定期演奏会に客演し、リャードフの交響詩「キキーモラ」、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番、スクリャービンの交響曲第4番「法悦の詩」という20世紀前半のロシアの音楽を振る。リャードフはサンクトペテルブルクでリムスキー=コルサコフに学び、プロコフィエフは同地でリムスキー=コルサコフやリャードフに学んだ。そんな同門の二人の作品が並べて演奏されるのはとても興味深い。 リャードフの「キキーモラ」はロシアの民話に基づく。キキーモラとはロシアに伝わる妖精(死神)の一種。描写的な音楽が楽しい。 プロコフィエフの協奏曲で独奏を務めるのは周防亮介。2010年のダヴィッド・オイストラフ国際ヴァイオリンコンクール、16年のヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールなどで入賞し、現在はメニューイン国際音楽アカ

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